発議案第4号 住宅リフォーム詐欺から高齢者等を守るための対策強化を求める意見書
議決日:平成17年10月3日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、国家公安委員長
住宅リフォーム詐欺から高齢者等を守るための対策強化を求める意見書
高齢者等を住宅リフォーム詐欺から守るため、悪質業者の摘発を行うとともに、再発防止に向けた取り組みを早急に強化されたい。
理由
認知症など判断能力の不十分な高齢者を狙って不要な住宅リフォーム工事を契約させ、法外な代金を請求・だまし取る「住宅リフォーム詐欺」が大きな社会問題になっている。そうした犯罪行為の横行を許さないため、まずはあらゆる法律・制度を駆使し、関係機関が連携して、悪質業者を摘発するとともに、再発防止に向けた取り組みを早急に強化することが求められている。
政府は、7月13日、関係6省庁課長会議において当面の対応策となる緊急対策を取りまとめたところであり、その内容は、悪質業者に対する行政処分や取り締まりの強化、関係業界に再発防止策を求めることなど多岐にわたっているが、今後の課題として、住宅リフォーム工事に関する建設業法の見直しや、成年後見制度をより利用しやすくするための措置などを挙げている。
よって、国においては、高齢者等を住宅リフォーム詐欺から守るため、悪質業者の摘発を行うとともに、再発防止に向け下記項目について早急に取り組まれるよう強く要望する。
1 建設業法の見直しについて
(1) 建設業法上、軽微な建設工事の請負についても建設業の許可を必要とするよう、同法を見直すこと。
(2) 住宅リフォームを含む建設工事の請負契約の締結に当たっては、その内容について書面への記載の徹底を図るため、建設業法に罰則を設けること。
2 建築士法の見直しについて
建築士法により、建築士でなければできない設計又は工事監理が規定されているが、住宅リフォームは多くの場合、建築士でなくても設計等を行うことができるため、同法を見直すこと。
3 相談体制の充実について
全国各地の窓口で気軽に法的サービスが受けられる「日本司法支援センター」において、高齢者等に対する出張相談などを積極的に実施すること。
4 成年後見制度の普及・活用について
(1) 制度趣旨についての理解を含めた周知徹底のための広報活動を強化するとともに、成年後見申立時の費用や後見人への報酬を助成する成年後見制度利用支援事業を拡充・周知すること
(2) 第三者後見人の人材を確保すること。
5 救済・再発防止について
特定商取引法や消費者契約法、割賦販売法などを活用して被害者の早期救済を図るとともに、悪質住宅リフォームを対象にした取締法規の制定を検討すること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。