発議案第9号 コロナ禍における原油価格・物価高騰への更なる対策を求める意見書
議決日:令和4年7月5日
議決結果:原案可決
コロナ禍における原油価格・物価高騰への更なる対策を講ずるよう強く要望する。
理由
我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症による影響から緩やかに持ち直しつつあるものの、国民生活への影響は依然として続いている。
こうした中、ロシアによるウクライナ侵略などの影響により、原油や穀物等の国際価格は高い水準で推移しており、また、食料、飼料、肥料原料、原油、半導体原材料といった国民生活や経済活動に不可欠な物資の安定供給が滞り、サプライチェーン問題が続くおそれがある。
国はこれまで、原油価格高騰等に対して、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策にエネルギー価格高騰対策を盛り込むとともに、原油価格高騰に対する緊急対策を取りまとめ、その迅速な実施に努めてきた。
また、令和4年4月にはコロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策を決定し、取組を進めているが、ウクライナ情勢をめぐる先行きの不確実性は高く、今後、コロナ禍からの経済社会活動の回復の足取りが大きく阻害されかねない。
我が国の経済や国民生活に及ぼす影響を最小限にとどめるためには、更なる対策が求められる。
よって、国においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 我が国は、多くのエネルギー資源を海外からの輸入に依存していることから、エネルギー資源の安定的な確保・供給に万全を期すとともに、電力を含むエネルギー価格の安定化を図るための対策を講ずること。
2 穀物や水産物等の食品原材料や配合飼料の輸入価格の上昇と高止まりによる飲食事業者、畜産業者、水産加工業者をはじめとする農林水産業者等への影響を緩和するため、国産代替原材料への切替えを促すとともに、燃料や肥料価格高騰への対策や配合飼料価格安定制度の拡充等の早期実施により、事業者負担の更なる軽減を図ること。
3 中小企業の資金繰り支援の継続や収益力改善・事業再生・再チャレンジを総合的に支援する中小企業活性化パッケージに基づく施策を強力に推進するとともに、新型コロナウイルス感染症対応に係る雇用調整助成金の特例措置等の事業継続等のための支援策について、原油価格、物価が安定するまで継続すること。
4 特定の国や地域に過度に依存しないサプライチェーンを構築するために、生産拠点を国内・地方に回帰させる取組を促進すること。サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金については、中小企業特例事業の予算枠の拡充を図るとともに、来年度以降も継続して支援を行うこと。
5 取引適正化に向けた取組を進め、価格転嫁、賃金引上げ環境を整備するとともに、生活困窮者支援や学校給食費等軽減など、子育て世帯の支援及び消費喚起のための対策を講ずること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。