発議案第3号 国立病院の機能強化を求める意見書
議決日:令和5年3月23日
議決結果:原案可決
国立病院を機能強化し、憲法第25条で保障された国民の生存権を保証するとともに国の社会的使命を果たすよう強く要望する。
理由
戦後最悪といえる新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、感染症対策のみならず、日本の医療体制のぜい弱さが浮き彫りとなった。新型コロナウイルスに感染しても、受け入れる病院、病床、スタッフの不足等、医療体制がひっ迫した状態が続き、療養施設や自宅での待機を余儀なくされ、医療が必要にもかかわらず入院できぬまま亡くなるという痛ましい事例も相次いでおり、まさに、医療崩壊の危機に直面する事態となった。
国民の命と健康を守るのは国の責務である。そのためにも全都道府県にネットワークを持つ、独立行政法人国立病院機構及び国立高度専門医療研究センター(以下「国立病院」という。)が新興感染症対策など採算性の低い医療の分野において中心的役割を果たせるように機能強化することが、地域医療を守り、充実させることにつながる。岩手県内においても4か所の国立病院が引き続き高度医療、政策的医療、難病対策などの役割を果たしていけるよう、存続、施設等整備及び機能強化が必要となっている。
また、新型コロナウイルス感染症の蔓延時においては、国立病院では新型コロナウイルス感染症病床の増床、全国規模での感染拡大地域への医療従事者の派遣等、政府の要請に応え奮闘してきた。しかし、人員不足の中、派遣元の病院では、患者に十分なケアができない等の問題も起きている。
よって、国においては、憲法第25条で保障された国民の生存権を保証するとともに国の社会的使命を果たすため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 国民の命を守るセーフティネットとしての役割を確実に果たし、地域医療の充実を図るため、国立病院を機能強化すること。
2 国立病院が全国ネットワークを生かして新興感染症や災害医療対策において十分な役割を発揮できるよう、対策を講ずること。
3 岩手県内4か所の国立病院の存続と、医師、看護師及び介護職員等を増員し、人員体制の充実を図ること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。