発議案第6号 酪農家への経営安定対策を求める意見書
議決日:令和5年3月23日
議決結果:原案可決
酪農家への経営安定対策を講ずるよう強く要望する。
理由
酪農を取り巻く状況は、ロシアによるウクライナ侵攻や円安、コロナ禍等の影響で、飼料価格の高騰による生産コストの増大、生乳需給環境の悪化、乳用牛の子牛取引価格の下落など、過去に例を見ないほど極めて深刻な事態となっている。
また、我が国では、ガット・ウルグアイラウンド農業合意に基づくカレント・アクセスにより、生乳換算で13.7万トンのバター・脱脂粉乳等が毎年輸入されている一方、国は、生乳需給ギャップを解消するため、乳用経産牛の早期リタイアに取り組む生産者に奨励金を交付することとしている。
今後の飼料価格の動向次第では、事態はさらに深刻化し、我が国の酪農家が壊滅的な打撃を受けるおそれがあることから、飼料価格高騰の影響を可能な限り緩和し、酪農家の負担軽減を図るなど、積極的な支援を行う必要がある。また、酪農家が安定した経営により、将来を展望でき、永続的に食料生産の一翼を担えるよう環境を整備する必要がある。
よって、国においては、酪農家の経営安定を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 生産コストの増加分を適切に価格転嫁できる環境を整備するなど、酪農家が安心して生活できるような施策を講ずること。
2 加工原料乳生産者補給金等の更なる増額や特例給付金などの加算措置を講ずるなど、酪農経営の安定化に資する方策を実施すること。
3 国産のバターや脱脂粉乳が円滑に流通する仕組みを構築すること。
4 国内の生乳生産量や指定乳製品等の在庫状況を勘案した上でカレント・アクセスによる輸入品目や輸入量を決めること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。