発議案第3号 持続可能な農業・農村の実現と食料安全保障の強化を求める意見書
議決日:令和6年7月4日
議決結果:原案可決
食料安全保障の強化に向けた措置を講ずるよう強く要望する。
理由
近年の世界情勢の不安定化や気候変動、人口増加などにより、穀物や肥料 、飼料原料などを過度に輸入に依存している我が国の食料安定供給リスクが顕在化し、食料安全保障の強化が国家をあげた課題として、かかる施策の強化と再構築が求められている。
また、我が国の農業をめぐっては、生産資材価格の高止まりが依然として続く一方、国産農畜産物への価格転嫁は進まず、生産基盤の弱体化に拍車をかける危機的な状況が続いている。
去る5月29日、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律が成立したことから、今後、新たな基本法に沿った形で、次期基本計画等の具体化を図っていくことが極めて重要となる。
よって、国においては 、適正な価格形成が実現されるとともに、食料安全保障の強化が確実に図られるよう、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 次期食料・農業・農村基本計画の策定に当たり、全ての農業者が将来にわたり展望を持って営農に取り組めるよう、生産現場の実態と農業者の意見を十分に反映した実効性のある施策を講ずるとともに、国民に対する食料の安定的な供給の確保と農業・農村の持続的発展の実現に向け、十分な予算を確保すること。
2 農畜産物の適正な価格形成に向けた国民理解の醸成、更には国産農畜産物を選択する行動変容につながる施策を拡充するとともに、生産現場の危機的状況を踏まえ、速やかに適正な価格形成の実現に向けた法制化を 図る こと。
3 生産資材価格高騰への影響緩和対策が改正基本法に位置付けられたことから、適正な価格形成を生産資材価格の高騰対策の基本としつつ、既存のセーフティーネットを組み合わせても補いきれない生産資材価格の高騰に対応し得る対策を充実させること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。