発議案第6号 自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を求める意見書
議決日:令和6年10月10日
議決結果:原案可決
自動運転移動サービス等の社会実装に向けた予算措置や自動運転車両の利活用への環境整備等の措置を講ずるよう強く要望する。
理由
高齢化が進んでいる現在、高齢者の運転による交通事故が社会問題となっている。2023年の全国における高齢ドライバーによる交通事故発生件数は71,673件、事故全体に占める高齢運転者の事故割合は23.3%となっており、2019年の21.9から増加し、依然として多発している状況である。
75歳以上、80歳以上の運転免許保有者数の推移をみると、2023年の全国における75歳以上、80歳以上の免許保有者数(75歳以上728万人、80歳以上304万人)は、2013年の数値(75歳以上425万人、80歳以上169万人)と比較して、75歳以上は約1.7倍、 80歳以上は約1.8倍となっており、今後ますます高齢ドライバーが増えていくと想定される。
地方公共団体では、運転免許証の自主返納の取組が進められる中で、免許返納後の移動手段の確保が大きな課題となっている。国では、高齢運転者による交通死亡事故の深刻な社会問題化を背景に、免許返納者への公共交通割引施策を新規で実施する地方公共団体への支援を検討しているが、公共交通の空白地域には課題が残る。
よって、国においては、自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備として、十分な予算措置や自動運転車両の利活用への環境整備等、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 高齢者の免許返納の促進に伴う自動運転移動サービスの導入において、過疎地域を包含する地方公共団体に寄り添う形で、国の相談窓口の開設や専門家の派遣等の伴走型の支援体制を整えること。
2 自動運転技術の開発があらゆるメーカーで進められている中で、自動運転システムが主体となって車の操縦、制御等を行うレベル4以上の車両の開発を促進するとともに、遠隔操作システムの導入を含めた行政における利活用の仕組みの検討など、自動運転車両の実用化に向けた環境整備を加速すること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。