発議案第6号 災害対策の充実強化を求める意見書
議決日:令和8年3月23日
議決結果:原案可決
災害から国民の生命と財産を守るべく、災害対策の充実強化を図るための措置を講ずるよう強く要望する。
理由
我が国は、地震、台風、火山噴火等による自然災害が発生しやすい環境にある。 能登地方では、令和6年能登半島地震及び豪雨災害の複合災害により甚大な被害を受け、現在も復旧・復興に向けた取組が続いている。また、近年では、気候変動の影響と考えられる記録的な気象災害も頻発しており、台風や集中豪雨に伴う大規模な浸水被害、局地的な大雪や積雪等による雪害等が懸念されている。
さらに、南海トラフ地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震等の大規模地震や大規模火山噴火等の発生も危惧されることから、更なる災害対策を推進することが重要である。
これらの自然災害に対応するため、インフラの老朽化対策や耐震化といったハード対策はもとより、自然災害の発生要因の監視及び観測体制の強化や避難所の確保及び充実といったソフト対策も含め、災害対策の充実強化が喫緊の課題となっている。
このような状況を踏まえ、政府は防災庁の設置を決定し、災害に強い国づくりを目指して体制整備を進めているが、実際の災害対応においては、気候変動対策も視野に入れ、複合災害にも対応するとともに、地方自治体、地域住民、民間団体、ボランティア組織などとの連携強化が不可欠である。
よって、国においては、災害から国民の生命と財産を守るべく、災害対策の充実強化を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 新設される防災庁においては、政府と地方自治体との緊密な連携を図り、人員、物資、情報支援が円滑かつ迅速に行われる仕組みを速やかに確立するとともに、災害対応を一元化すること。また、地域、世代、性別、職業、障がいの有無などにかかわらず、全ての層の代表が避難計画策定及び運営等に参加する分権型のインクルーシブな防災体制を構築すること。併せて、災害時の情報共有や避難計画、医療、福祉、インフラ維持等の協働体制を平時から確実に整備、確認すること。
2 地方自治体への権限及び予算の移譲、社会インフラの整備支援等に取り組むとともに、被災者生活再建支援金の最高額の引き上げやボランティアへの支援強化、災害関連税制の拡充等を早急に行うこと。
3 南海トラフ地震、首都直下地震及び日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震における防災・減災対策や大規模地震発生時の帰宅困難者等対策について、また、火山の監視観測体制及び調査研究体制の整備、専門家による技術的支援、広域噴火災害対策、多様な火山災害に応じた避難対策等の火山災害対策について、具体的に推進すること。併せて、地方自治体において、避難行動要支援者の避難に係る個別避難計画の作成を全国的に可及的速やかに進められるよう支援すること。
4 令和4年に公布された宅地造成及び特定盛土等規制法による取組や盛土の安全性把握調査、対策工事等に対する支援措置を通じて、盛土の安全確保対策を推進すること。また、令和4年に改正された豪雪地帯対策特別措置法による地方公共団体に対する交付金交付や命綱固定アンカーの設置促進等の取組を推進し、豪雪から国民生活を守ること。併せて、寒冷地において冬に地震等の災害が発生した場合に備え、避難施設の防寒対策等についても強化を図るとともに、感染症対策とも両立する災害対策について再整備すること。
5 国の防災施策や制度変更については、地方自治体に対して十分な説明責任を果たし、人的、財政的支援を適切に講ずること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。