発議案第2号 クレジット被害をなくすための法改正を求める意見書
議決日:平成19年10月12日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、経済産業大臣
クレジット被害をなくすための法改正を求める意見書
悪質商法を助長するクレジットの被害を防止するため、割賦販売法の抜本的改正について、特段の措置を講じられたい。
理由
クレジット契約は、代金後払いで商品が購入できる利便性があることから、消費者に広く普及している一方で、強引・悪質な販売方法と結びつくと高額かつ深刻な被害を引き起こす危険な道具ともなり得るものである。
現在、クレジット会社の与信審査の甘さから、年金暮らしの高齢者に対する次々販売の繰り返しやクレジット契約を悪用したマルチ商法・内職商法その他の詐欺的商法の被害が絶えないところであるが、このようなクレジット被害は、クレジット契約の構造的危険性から生じる病理現象であると言える。
経済産業省の産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会は、このように深刻なクレジット被害を防止するため、平成19年2月から、クレジット被害の防止と取引適正化に向けて割賦販売法の改正に関する審議を進めており、本年秋には法改正の方向性が示される見込みであるが、今回の改正においては、消費者に対し、安心・安全なクレジット契約が提供されるために、クレジット会社の責任においてクレジット被害の防止と取引適正化を実現する法制度が必要である。
よって、国においては、クレジット契約を利用した悪質商法被害・過剰与信被害を防止するため、割賦販売法を以下のとおり抜本的に改正するよう、強く要望する。
1 クレジット会社が、顧客の支払能力を超えるクレジット契約を提供しないように、具体的な与信基準を伴う実効性ある規制を行うこと。
2 クレジット会社には、悪質販売行為等にクレジット契約を提供しないように、加盟店を調査する義務だけでなく、販売契約が無効であるとき、または取消・解除になったときは、既払金の返還義務を含むクレジット会社の民事共同責任を規定すること。
3 1〜2回払いのクレジット契約を適用対象に含め、政令指定商品制を廃止することにより、原則としてすべてのクレジット契約を適用対象とすること。
4 個品方式のクレジット事業者(契約書型クレジット)について、登録制を設け、契約書面交付義務及びクーリング・オフ制度を規定すること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。