発議案第5号 平成19年産米の価格下落に対して総合的な対策を求める意見書
議決日:平成19年12月12日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、農林水産大臣
平成19年産米の価格下落に対して総合的な対策を求める意見書
平成19年産米の価格下落によって打撃を受けている農家の営農や農村の維持が可能となるよう、総合的な米価下落対策について、特段の措置を講じられたい。
理由
平成19年産米の価格は、近年消費者の米離れと米余り感が顕著となり下落している。岩手県産米においてもコメ価格センターでの取引価格は、昨年産に比べて1,000円下落となっており、稲作農家の生産費割れをおこす赤字生産の状況が拡大しているところが多くなっている。このままこれを放置すれば、農家の営農は困難となるばかりでなく農村は破綻し、ひいては我が国の食の安全安心や食料政策及び安全保障政策にも影響を及ぼしかねないと危惧されるところである。
平成19年産の米価下落を巡っては、従来からの米離れに加え、生産調整を農業者団体任せにしたことが過剰生産の誘因となり米余り感に拍車をかけたほか、地方切捨てや格差拡大によって消費者が生活防衛のため低価格指向となったことも大きな要因である。
また、政府の新農業政策の柱でもある品目横断的経営安定対策や規模拡大の推進に協力した農業者も、価格の下落によって打撃を受けており、国の農業政策に対する不信が高まっている。
ついては、国においては、平成19年産米の価格下落によって打撃を受けている農家の営農や農村の維持が可能となるよう、次の事項について、特段の措置を講じられたい。
1 政府が緊急に買い入れた備蓄米については、市場への放出を抑制すること。
2 備蓄に当たっては、主食用米市場への放出を避けることを強く検討すること。
3 米価下落の一因が過剰生産にもあることから、責任をもって生産調整に参加する農家が非実施者に比して不利とならないよう対策を講じるとともに、生産調整がしっかり機能する仕組みを構築すること。
4 米価下落によって来年産の作付け不安が生じていることから、今年限りの特例措置として米価下落分の補てんを検討すること。
5 米粉等の利用も含めた米の消費拡大対策に本格的に取り組むこと。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。