発議案第5号 漁業所得補償制度の創設等を求める意見書
議決日:平成20年10月10日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、農林水産大臣
漁業所得補償制度の創設等を求める意見書
漁家経営の安定化と漁村の活性化を図るため、漁業所得補償制度の創設などの対策を講ずるよう強く要望する。
理由
わが国の海洋資源のうち水産資源、特にも排他的経済水域の水産資源は国民共有の財産とも位置づけられ、その適切な管理は環境的側面からも安全・安心な食料供給の側面からも求められるところであり、また、その前提として漁家経営の安定化と漁村の活性化の確保が重要である。
しかし、燃油高騰などにより、漁家経営は収益が著しく悪化し不安定さを増しており、これに伴い漁村の活気がそがれている。
漁家経営の改善に向けた施策が講じられない場合、適正な資源管理が行われず、食料の安定供給に重大な支障が生ずることも考えられる。
また、漁家及び漁村は、食料の安定供給にとどまらず、海の清掃活動などの環境保全や稚魚放流による資源管理、災害防止、伝統文化の継承等の多面的機能を有しており、この点からも漁家経営の安定化と漁村の活性化は国民の豊かな生活を維持するために必要である。
よって、国においては、漁家経営の安定化と漁村の活性化を図るため、次の事項について、特段の措置を講ずるよう強く要望する。
1 水産資源と漁獲努力とのバランスを確保するため、「個別TAC」など資源管理型漁業の推進のための施策を講じること。
2 個別TACの対象となる漁業者又は資源管理の計画に即した生産を行う漁業者が水産資源の管理を行えるよう、「漁業所得補償制度」を創設し漁業所得を補償すること。
3 漁村が持つ多面的機能の発揮と漁村の活性化の観点から「漁村集落直接支払い」制度を創設すること。
4 漁業所得補償制度が創設されるまでの間、現下の燃油価格高騰に対する緊急対策として負担軽減のための補てん策を実施すること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。