発議案第20号 食料供給力の向上を求める意見書
議決日:平成20年10月10日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、農林水産大臣
食料供給力の向上を求める意見書
世界有数の食料輸入国である我が国の置かれている状況を認識し、食料供給力の向上に資する施策を講ずるよう強く要望する。
理由
最近の食料をめぐる国際情勢は、開発途上国の人口増加等により、食料需要が一層拡大するとともに、干ばつや地球温暖化の進行、バイオ燃料の需要増加などにより、穀物価格が高騰するなど、食料の安定的な供給に大きな懸念が生じている。
こうした中、我が国においては、食料自給率が40%に低下し、毎年およそ77万トンのミニマム・アクセス米を輸入する一方で、水田面積の約4割に及ぶ生産調整を実施し、担い手の減少や高齢化の進行とも相まって約38万ヘクタールの耕作放棄地が発生するなど、食料危機とは無縁であるかのような状況となっている。
また、ミニマム・アクセスをめぐっては、事故米の国の管理のずさんさから大きな社会問題となっていることは、極めて遺憾である。
そうした中、一層、食料安全保障の観点に立ってWTO交渉等に臨む一方で、改めて我が国の食料供給力を強化していくことの重要性が高まっている。
よって、国においては、世界有数の食料輸入国である我が国の置かれている状況を認識し、次の事項について、食料供給力の向上に資する施策を講ずるよう強く要望する。
1 我が国の最もすぐれた食料生産基盤である水田の有効利用を図り、耕作放棄地を解消するため、必要な措置を講ずること。
2 農地の面的集積を促す仕組みの構築や、農内外からの幅広い人材の就農支援を行うなど、多様な担い手を確保・育成するための施策の充実・強化に努めること。
3 中山間地における国土保全、定住促進の観点を含めた総合的な農業振興策を講ずること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。