発議案第16号 青少年を有害情報から保護する携帯電話の利用環境の整備を求める意見書
議決日:平成21年7月6日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、文部科学大臣、経済産業大臣、国家公安委員長、内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画)
青少年を有害情報から保護する携帯電話の利用環境の整備を求める意見書
青少年を有害情報から保護するため、携帯電話の利用環境の適切な整備のための対策を講ずるよう強く要望する。
理由
近年、携帯電話の急速な発達・普及は、利用者である私たち国民に大きな利便性をもたらす一方で、有害な情報が発達期の青少年の安全かつ健全な成長を阻害するなど問題も顕在化してきている。とりわけ、わいせつ又は児童ポルノ画像や児童売春の誘引、違法薬物の販売に関する情報、出会い系サイトや他人の悪口・誹謗中傷を載せたサイト等の有害な情報等の氾濫は、大きな社会問題となっており、早急な対策が求められている。
こうした中、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が制定され、本年4月から施行されたところである。本法律の施行により、青少年が安全にインターネットを利用することが可能となる環境が整備されることとなったが、一方、本法律施行後も引き続き青少年が有害情報に触れる危険性は排除できない。
本県においても、「青少年のための環境浄化に関する条例」の中で、青少年の健全な育成を阻害する恐れがある有害情報を青少年が閲覧し、又は視聴することがないように、フィルタリング機能の活用を促すなど、インターネット利用環境の整備に努めてきたところである。
青少年が有害情報に接触する機会を減らすためには、その閲覧を防ぐフィルタリングが有効であり、同法において、携帯電話事業者は契約の相手が青少年の場合には、フィルタリングサービスの利用を条件として、その役務を提供することが義務付けられている。
しかし、保護者がサービスを利用しない旨の申し出をした場合には、その限りではないとされており、保護者の認識が不十分な場合、青少年が有害情報に接する危険性が大きい。
よって、国においては、青少年を有害情報から保護するため、次の事項について対策を講ずるよう強く要望する。
1 本年4月から施行された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」について、フィルタリングサービスの一層の普及が進むよう国民の理解を促進するなど、適切かつ効果的な運用を図ること。
2 契約時に保護者等に対して有害情報から青少年を保護する必要性等の説明を携帯電話事業者に徹底させること。
3 フィルタリングを不要とする保護者からの理由書の提出とその理由書の保存を携帯電話事業者に徹底させること。
4 フィルタリングの対象となる有害サイトと非有害サイトが、適切に区分されるよう、関係事業者に求めること。
5 青少年が有害情報に接触することができないよう、携帯電話事業者に新しい技術開発を促すこと。
6 インターネットの安全・安心な利用のための啓発を行うボランティアの養成や、啓発講座の開催、啓発資料の配布等、地域での啓発を推進すること。
7 小・中・高等学校等において、児童生徒のみならず、保護者や教員も対象にした情報モラル教育の充実を図ること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。