岩手県議会トップ

議員提出議案

詳細情報

件名

発議案第12号 大型クラゲ被害に対する抜本的な対策を求める意見書

本会議議決結果

議決日:平成21年12月9日
議決結果:原案可決

内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、国家戦略担当大臣、財務大臣、農林水産大臣、水産庁長官

 大型クラゲ被害に対する抜本的な対策を求める意見書

 漁業被害の拡大防止と漁業者が安心して操業できる環境整備のため、大型クラゲ被害に対し、総合的かつ抜本的な対策を講ずるよう強く要望する。

理由
 大型クラゲが我が国周辺水域に大量に来遊し、日本各地の漁業に大きな被害を引き起こしている。大型クラゲ被害は、漁業者が可能な限りの対策を行っているにもかかわらず、千葉県沖では、操業中の漁船が転覆するなど人命にかかわる事態にまで拡大している。本県では定置漁業や漁船漁業の操業において、網漁具の破損や操業の中断、漁獲量の減少などの被害が発生し、更に主力魚種である秋サケの品質低下を招くなど本県漁業の振興に大きな影響を与えている。
 今般の大型クラゲ被害は、漁業者にとってまさに「激甚災害」にも匹敵するものであり、関係国である中国、韓国、日本の三か国が協力して発生原因を究明し、発生水域で早期に駆除を実施することが求められるものであり、国の責任として全力で対処すべきである。
 よって、国においては、漁業被害の拡大防止と漁業者が安心して操業できる環境を整備するため、大型クラゲ被害に対し、次の事項のとおり総合的かつ抜本的な対策を講ずるよう強く要望する。

1 大型クラゲ被害が今以上に拡大しないよう、早急に対策事業予算の追加手当を行うとともに、国が責任を持って自ら全力で駆除に取り組むこと。
2 漁業者が自主的に洋上駆除に取り組む場合の助成制度の拡大と要件の大幅な緩和を行うとともに、被害状況に応じた経営に対する助成を拡充するなど、漁業者に対する支援を強化すること。
3 対策事業の実施に当たっては、洋上駆除作業と漁獲作業との区分を見直し、漁業者の立場に立ち、駆除作業の軽減を図るための弾力的な運用を行うこと。
4 洋上駆除を効率的に行う機器等の開発を一層促進するとともに、新たな機器等の導入に当たっては国が責任を持って十分な手当を行うこと。
5 発生源とみられる中国沿岸域での原因究明と被害の未然防止のための早期駆除について、関係国で協力するよう全力で外交努力を行うこと。
6 中国沿岸域における大型クラゲの発生状況、中国・韓国両国との連携による駆除作業の状況、我が国周辺水域への来遊状況及び駆除作業の状況について迅速に漁業者へ情報を提供すること。
7 漁業共済への加入を希望する漁業者がすべて加入できるよう、漁業共済制度の拡充・強化を早急に図ること。
8 来年度以降においても、大型クラゲ被害のため漁獲金額が落ち込む場合には、被害年度の漁獲金額を考慮し、漁業共済制度における補償金額の算定基準が下がることのないように対処すること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

議員別の賛否の状況

メニュー