発議案第5号 東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による観光業の風評被害について本県全域を損害賠償の対象地域にすることを求める意見書
議決日:平成24年3月21日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、文部科学大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、復興大臣、観光庁長官
東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による観光業の風評被害について本県全域を損害賠償の対象地域にすることを求める意見書
東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故により、本県観光業が風評被害を受けていることから、原子力損害賠償紛争審査会が定める指針に賠償すべき対象地域として本県全域を追加明記することを強く働きかけるよう要望する。
理由
本県においては、原発事故の影響により修学旅行等の団体客の宿泊キャンセルが相次ぐなど、事故後多くの観光地で観光客が減少し、指針に明記された地域と同様に、大きな打撃を受けているところである。
東日本大震災津波が発生してから一年が経過し、本県では、4月からいわてデスティネーションキャンペーンを開催するなど、官民一体となって、観光の復興に向けた取組みを進めているところであるが、原発事故による影響はいまだに明確には収束しておらず、観光に携わる事業者は今後の事業展開に大きな不安を感じている。
昨年8月5日、原子力損害賠償紛争審査会は、「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所の事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」を示したが、観光業の風評被害において、原発事故による国内観光の風評被害の因果関係が認められる地域は、原則として福島県のほか茨城県、栃木県及び群馬県に営業の拠点のある観光業とされたところである。
中間指針では、指針に明記されていない地域でも、原発事故との相当因果関係が認められる場合は、風評被害として損害賠償の対象となり得るとされているが、具体的な判断基準などは示されていないのが現状である。
よって、国においては、今回の事故により発生した本県観光業への風評被害に係る損害について、原子力損害賠償紛争審査会が定める指針に賠償すべき対象地域として本県全域を追加明記することを強く働きかけるよう要望する。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。