発議案第10号 震災がれき及び放射性物質による汚染物処理を迅速に進めることを求める意見書
議決日:平成24年3月21日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、環境大臣、復興大臣
震災がれき及び放射性物質による汚染物処理を迅速に進めることを求める意見書
被災地の一刻も早い復興を果たすため、震災がれき及び放射性物質による汚染物処理を迅速に進めるよう強く要望する。
理由
2011年3月11日に発生した東日本大震災津波によって、岩手県内では435万トンの震災がれきが発生した。復興を果たすためにはこの震災がれきを平成26年3月までに処理することを目標にしているものの、震災後1年を経てもなお、計画に達せず、目標通りの処理の実現が危惧される状況となっている。
この要因の一つが、震災がれきのうち約57万トンを処理すると見込んだ広域処理が進んでないためである。これは国の安全基準を大きく下回っているものの、受け入れ自治体の住民の一部に、震災がれきに含まれる放射性物質に対する十分な理解が得られていないことなどにより、受け入れの判断が容易でない状況となっているためである。
また、いわゆる汚染稲わらなどをはじめとした、東京電力福島第一原子力発電所事故に起因する放射性物質に汚染されたものの処理も、いまだ最終的な道筋が示されていないため、各戸での一時保管などの対処療法的な管理から踏み出せず、抜本的な解決には至っていない。そればかりか、今後の除染の徹底などにより処理を必要とする汚染物の増大が予想され、処理についての混乱に拍車がかかりかねない状況である。
このままでは被災地の復興を大きく妨げるだけでなく、協調と助け合い、支えあいに支えられた「絆」の崩壊にもつながりかねず、日本人のよき精神文化が揺らぐ危機でもある。
よって、国においては、このような状況を的確に把握し、可及的速やかに以下の措置を講ずるよう強く要望する。
1 震災がれきの広域処理を進めるため、新たな法整備も含め促進策を講じること。
2 震災がれきの安全性についての国民的理解を促進すること。
3 放射性物質に汚染されたものの最終処分までの処理スキームを明確にすること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。