発議案第12号 基礎自治体への円滑な権限移譲に向けた支援策の充実を求める意見書
議決日:平成24年3月21日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、内閣府特命担当大臣(地域主権推進)
基礎自治体への円滑な権限移譲に向けた支援策の充実を求める意見書
いわゆる地域主権一括法による、基礎自治体への円滑な権限移譲に向けた支援策の充実を図るよう強く要望する。
理由
国が地方公共団体の仕事を様々な基準で細かく縛る「義務付け・枠付け」の見直しや、都道府県から基礎自治体への権限移譲を進めるための、いわゆる地域主権一括法(第1次・第2次一括法)が、昨年の通常国会で成立した。291条項にわたる第3次見直しも昨年末に閣議決定され、本年の通常国会に提出される見通しとなっている。
一方、自主財源の乏しい地方公共団体は、人件費の抑制、事務事業の抜本的な見直しによる歳出削減など、徹底した行財政改革を進めてきているが、財源の多くを国によって定められた行政水準の確保に費やさざるを得ないことから、さらに厳しい財政運営を強いられている。地方公共団体は、農林水産業の振興や地域経済の活性化、少子・高齢社会、高度情報化への対応、防災対策や各種社会資本整備など重要な課題を有し、これらの財政需要に対応し得る地方財政基盤の充実・強化が急務となっている。
地域主権改革は、地域住民が自ら考え、その行動と選択に責任を負うという地域住民主体の発想に基づく改革をめざすものであり、明治以来の中央集権体質からの脱却、国と地方が対等の立場で対話できる関係への根本的な転換を進めていくものでなければならない。
よって、国においては、基礎自治体への円滑な権限移譲に向けた支援策の充実を図るため、以下について速やかに実施するよう強く要望する。
1 権限移譲に伴い必要となる財源を確実に措置すること。また、移譲時に必要となる電算システム整備など臨時的経費についても確実に財源を措置すること。
2 都道府県から基礎自治体への権限移譲においては、事務引継ぎ、研修、職員派遣、都道府県・基礎自治体間の推進体制の構築など、基礎自治体への権限移譲が円滑に進められるよう、政府は、移譲の時期、具体的な財源措置など必要な事項について地方側に十分な情報提供を行うこと。
3 厳しい行財政環境や超高齢化の進行の中で、移譲される権限の内容によっては、人員体制等も含め、基礎自治体単独での権限移譲に課題を抱える地域もあることから、広域連合の設立手続きの簡素化なども含め、基礎自治体が共同で柔軟に権限を行使できる仕組みを整備し、地域の実情に応じた効率的な権限移譲が行われるようにすること。
4 地方の自主性・裁量を拡大し、地方の特性に応じて事務が行えるよう、一層の「義務付け・枠付け」の見直しを行うとともに、今後の見直しに当たっては、「国と地方の協議の場」等において地方との十分な協議を行うこと。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。