発議案第3号 北朝鮮による拉致問題の早期解決を求める意見書
議決日:平成16年7月5日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、総務大臣、外務大臣、国家公安委員会委員長
北朝鮮による拉致問題の早期解決を求める意見書
日本政府は北朝鮮に対して「対話と圧力」の確固たる姿勢を持って臨み、政府認定拉致被害者のうち10名の安否不明者について、日本が加わっての再調査を早急に実施するとともに、政府未認定とされる拉致事件の真相究明を図り、拉致問題の全容解明と早期解決に全力で取り組まれたい。
理由
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致問題は、平成14年9月、小泉純一郎首相との首脳会談において、金正日総書記が日本人拉致を認め、謝罪した。その後、地村さん夫妻、蓮池さん夫妻、曽我ひとみさんの5名は帰国を果たすことができた。
また、本年5月22日、小泉首相の再度の北朝鮮訪問で、家族5名の帰国が実現し、さらに、北朝鮮が一方的に「死亡」や「未入国」と通告してきた拉致被害者10名についても、白紙から再調査する旨の発言を引き出すことができた。
健全な外交関係が築かれていない中での交渉は極めて困難であり、拉致発生から二十数年間何の実績も上げられなかったこれまでの状況から言えば、平和裏に、そして着実に前進していることは、一定の成果があったと言える。
しかしながら、曽我さん家族の帰還に関しての交渉はこれからであり、日本が提起した150項目の質問に一切答えていないなど北朝鮮の対応にも疑問を持つ部分は多い。
また、日本政府は、現時点で10件15名の日本人拉致を認定しているが、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」や、拉致の疑いのある失踪者の調査を行っている「特定失踪者調査会」には、400名近くの調査対象失踪者リストがある。現在、警察等の関係機関も捜査に動き始め、さらに韓国に亡命した北朝鮮政府関係者などの目撃証言も寄せられている状況にある。
よって、国においては、国民の安全と人権を守る観点から、北朝鮮に対して確固たる姿勢を持って、帰還を遂げられていない10名の拉致被害者を含め、政府未認定とされる拉致事件の真相究明と早期解決のために全力を挙げて取り組むことを強く要望する。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。