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議員提出議案

詳細情報

件名

発議案第1号 TPP協定交渉への参加に反対する意見書

本会議議決結果

議決日:平成24年12月12日
議決結果:原案可決

内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、環境大臣、農林水産大臣、内閣官房長官、内閣府特命大臣(消費者及び食品安全)、国家戦略担当大臣

 TPP協定交渉への参加に反対する意見書

 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は、我が国の農林水産業や地方経済への大規模な打撃のみにとどまらず、国民の命と健康の基盤である医療制度等日本固有の制度・慣行・風土・歴史など様々なものに大きな影響を与えかねない。TPP協定に参加しないことこそが国益にかなうものであり、国においてはTPP協定交渉参加の検討自体を直ちに中止するよう強く要望する。

理由
 第46回衆議院議員総選挙において、TPP協定への交渉参加の是非が大きな争点となっている。
 政府は、TPP協定への交渉参加について積極的に推し進めることを明言し、一部経済界や大手マスコミもそれに追随する声を上げているが、交渉参加に対する疑問の声も大きく、世論を二分する状況になっている。
 我が国の今までの経済発展の大きな柱を担ってきたのが貿易収支の黒字であり、今後の日本の成熟した発展のためにも、FTAやEPAなどのより多くの国々との自由貿易体制を維持拡大していく必要があるのは衆目の一致するところである。
 しかしながら、TPP協定は、現在明らかになっているだけでも、例外なき関税の撤廃を原則としているものであり、その交渉分野は21以上にも及び、衛生植物検疫、金融サービス、労働、政府調達、知的財産などの様々な分野での市場開放を求めるもので、単なる自由貿易協定の枠組みには収まらない性格のものである。
 仮にTPP協定交渉に参加し、関税が撤廃された場合、国の試算では農林水産物の生産額は4兆5,000億円程度減少し、食料自給率は40%から13%程度に低下、雇用も350万人程度減少すると予想されている。
 また、本県農林水産業への影響も、農林水産物生産額全体の6割に相当する1,682億円が減少し、米や豚肉等の主要品目は、ほとんどが輸入品に置き換わると見込まれているが、その一方、関税撤廃による我が国の貿易上の利益等については明らかになっているとは言い難い状況にある。
 そもそもTPP協定については国民への情報開示が少なく、その全容が明らかになっている訳ではなく、拙速に交渉に参加すれば大きな国益を損なう可能性が否定できない。
 政府は、早期の交渉参加によって、我が国に有利なルール作りが可能になることを理由の一つに挙げているが、アメリカ主導によって11か国での枠組みが成立しており、今後、我が国に有利なルール作りの変更の可能性については困難であるとも言える。
 以上、農林水産業や地方経済への大規模な打撃のみにとどまらず、国民の命と健康の基盤である医療制度等日本固有の制度・慣行・風土・歴史など様々なものに大きな影響を与えかねないTPP協定には参加しないことこそが国益にかなうものと思われる。
 よって、国においては、TPP協定交渉参加の検討自体を直ちに中止するよう強く要望する。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

議員別の賛否の状況

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