発議案第7号 国際リニアコライダー(ILC)の東北誘致を求める決議
議決日:平成25年3月6日
議決結果:原案可決
国際リニアコライダー(ILC)の東北誘致を求める決議
国際リニアコライダー(ILC)は、素粒子や宇宙の研究に飛躍的発展をもたらすだけでなく、超伝導技術をはじめとする多くの先端技術の開発と実用化を促進し、さらに学術・教育・技術の集積する新たな国際研究拠点の形成につながるものである。
国際リニアコライダーの建設地は日本が最有力とみられており、国内候補地の一つとして、本県の県南部から宮城県の東部に至る北上山地が挙げられている。
国際リニアコライダーの東北誘致が実現した場合、建設から運用段階に至る30年間で約4.3兆円の経済波及効果をもたらすと推計されており、東日本大震災津波で被災した東北の真の復興と再生を象徴する大規模なプロジェクトとなる。かつてこの東北の地で、奥州藤原氏が築き、先人が守り伝えてきた平泉の世界遺産のように、次代を担う世代に引き継ぐ大きな財産として国際リニアコライダーの立地を現実のものとしなければならない。
昨年12月に国際的な研究者チームによって、建設候補地の技術的設計が終了し、今後、最終的な候補地の決定に移行する見通しであり、国内候補地については、国内の研究者グループで組織するILC立地評価会議が本年7月頃までに一本化することとしている。
東北への誘致実現に向けて、県民意識の一層の醸成を図ることはもとより、東北地方の産学官民が一体となった体制を構築し、誘致後の国際的なまちづくりのグランドデザインを示しながら、北上山地の地質の優位性や東北への誘致の熱意を伝える活動を強力に行っていかなければならない。
よって、大震災からの復興と再生の原動力として、国際リニアコライダーの東北への誘致を国において正式に決定することを強く求めるとともに、岩手県議会は、誘致実現に向けた活動を強力に推進する。
上記のとおり決議する。