発議案第8号 被災地の早期復旧・復興のために必要な地方財政の確立と事業執行体制の安定的な確保を求める意見書
議決日:平成25年3月26日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(地方分権改革)
被災地の早期復旧・復興のために必要な地方財政の確立と事業執行体制の安定的な確保を求める意見書
本県における東日本大震災津波がもたらした甚大な被害は、今なお爪痕深く、被災者の生活再建は始まっているものの、依然として厳しい状況が続いている。
県では本年度を復興元年と位置づけ、様々な復興事業を実施しており、本年度の当初予算額は、昨年度の2倍以上に規模が膨らんでいる。しかしながら、専門技術職を初めとする職員の不足が深刻となっており、復興事業の執行に影響を及ぼすことが強く懸念される状況にある。
このような中、今国会に提出されている来年度政府当初予算案では、地方公務員給与の削減を前提とした地方交付税の減額が盛り込まれている。また、政府は、平成25年度における地方公務員の給与について、国家公務員の給与減額支給措置を踏まえ、国に準じて必要な措置を講ずるよう、各地方公共団体に対して要請している。
こうした政府の要請は、各地方公共団体において、防災・減災事業に積極的に取り組むとともに、長引く景気の低迷を受け、一層の地域経済の活性化を図ることを目的としているものの、地方公務員の給与引き下げは、地方自治の本旨に反するばかりか、被災地における職員確保に影響を及ぼすことや、地域経済の活性化にはつながらない懸念もあり、復興の加速、デフレ脱却を目指す政府の方針とも矛盾するものである。
よって、国においては、東日本大震災津波による被災地の復興を加速させるため、被災自治体の財政確立及び事業執行体制の安定的な確保に向け、下記の対策を講ずるよう強く要望する。
記
1 大震災津波からの復興に必要な財源の持続的確保に加え、地域経済の再生のためにも、地方交付税を地方の固有財源として確実に保障すること。
2 政府が、その時々の政策目的達成のために、地方自治の根幹である財源や職員配置について介入せず、地方自治、住民主権確立のための法整備を行うこと。
3 復興教育の推進など山積する教育諸課題の解決に向けて教職員の人材確保が重要であることから、義務教育費国庫負担金を削減しないこと。
4 被災地における地方公務員の給与のあり方については、被災地の職員の実情を踏まえた上で、被災自治体との十分な協議を行うとともに、不足している職員の確保、育成に向けた新たな財政措置を講ずること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。