発議案第25号 医療に関する消費税問題を抜本的に解決することを求める意見書
議決日:平成25年3月26日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、内閣官房長官
医療に関する消費税問題を抜本的に解決することを求める意見書
地域医療の維持発展、被災地復興のため、医療に関する消費税問題を抜本的に解決する措置を速やかに講じるよう強く要望する。
理由
社会保険診療に係る消費税は非課税とされ、医療機関は患者から消費税を受け取っていないが、社会保険診療を行うため仕入れた医薬品や診療材料、医療機器等に対して消費税を支払っている。本来、消費税は消費者が負担するものであるが、保険者や患者から消費税を受け取っていないため、その分を医療機関が負担しているという問題がある。
厚生労働省は、消費税が創設された平成元年に0.76%、5%にアップした平成9年に0.77%それぞれ診療報酬を上乗せし、この問題は解決したとしている。しかし、上乗せは診療36項目のみで、患者や保険者に不公平であり、医療機関によりコスト構造が異なり、仕入れにかかった消費税にも差があることから医療機関にも不公平がある。また、診療報酬がマイナス改定されたことにより、消費税の負担が完全に補てんされたとは言えない状況のまま現在に至っている。
加えて、昨年8月10日に社会保障制度改革推進法、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律など、社会保障・税の一体改革関連法が成立し、今後、経済状況によっては消費税が段階的に10%まで引き上げられることになっている。
この問題が解決されることなく消費税が引き上げられれば、今後、医療機関はこれまで以上の税負担を強いられることになり、多くの医療機関が経営破たんする恐れがある。地域医療機関が閉院すれば、地域住民の救急も含めた保健医療、福祉介護体制に重大な影響を及ぼすことは明らかである。
また、東日本大震災津波で被災した医療施設の再建や、先進医療機器の今後の導入などに際し、控除対象外消費税の負担が拡大し、復興や医療の向上に支障となる。
よって、国は地域医療の維持発展、被災地復興のため、医療に関する消費税問題を抜本的に解決する措置を速やかに講じるよう強く要望する。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。