発議案第3号 東日本大震災の被災地における大型社会資本の早期復旧及び整備の促進と復興関係予算の拡充・強化等を求める意見書
議決日:平成25年7月9日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、国土交通大臣、復興大臣
東日本大震災の被災地における大型社会資本の早期復旧及び整備の促進と復興関係予算の拡充・強化等を求める意見書
東日本大震災の発生から2年4箇月が経過しても、いまだ爪痕が色濃く残る被災地の大型社会資本の早期復旧及び整備の促進と復興関係予算の拡充・強化等を強く求める。
理由
これまで本県では、復興交付金制度を始めとした支援制度等を活用し、国や市町村等との密接な協力と連携のもと、東日本大震災からの復旧・復興に向けた取組を進めてきたところであるが、被災した本県及び沿岸被災市町村は、財政力が極めて脆弱であり、引き続き国等の強力な支援を必要としている。
そのような中、沿岸部住民の安全な暮らしを早期に確保するためには、壊滅的な被害を受けた重要港湾の湾口防波堤や災害に強く信頼性の高い道路ネットワーク構築に必要な復興道路等の大型社会資本の早期復旧及び整備の促進が急がれるところである。同時に、被災県の財政に極めて大きな影響を与える、国の直轄事業に対する地方負担分等に対する財源として措置されてきた震災復興特別交付税については、復興の加速に向けて全力で取り組んでいる被災自治体の財政にとって極めて重要となっている。
さらに、復興交付金事業は省庁ごとの旧来型の補助事業と同様に運用が硬直的であるといった評価や、基幹事業と関連して使途の自由度の高い事業として創設された効果促進事業においても、いまだ採択基準が明確になっておらず、必要とされる事業の一部が構想段階で留まっているほか、運用の見直しにより創設された効果促進事業の予算の一括配分についても、実質的にその使途について事前の了承を求める取扱となっており、期待された自由度の高い財源としての活用が十分に図られていない。
また、平成23年度に創設された取崩し型復興基金は、被災地域の住民生活の安定やコミュニティの再生、地域経済の振興・雇用維持等に関連した事業に活用してきたところであるが、本格復興を迎える中、財源不足により基金の枯渇が懸念されるなど各種復興事業の進捗に応じた事業化ができないおそれがある。
よって、国においては、被災地の復興の促進のため、地方公共団体に負担をかけることのないような支援の枠組みを継続し、次の対策を講ずるよう強く要望する。
1 重要港湾の釜石港及び大船渡港湾口防波堤の早期復旧並びに久慈港湾口防波堤及び宮古港竜神崎防波堤の早期完 成や、三陸沿岸道路を始めとする復興道路等の早期全線完成に向け必要な措置を講ずること。
2 国の直轄事業への負担金や各種復旧・復興に係る国庫補助事業の地方負担分などに対する財源措置として創設された 震災復興特別交付税について、平成26年度以降においても継続するとともに、そのための十分な予算措置を確実に講ずること。
3 効果促進事業については、採択される事業が実質的に限られていることから、その拡大とともに、被災自治体における自主的かつ主体的な活用及び事務負担の軽減を図ること。
4 取崩し型復興基金について、今後具体化が進む被災地域のまちづくりの進捗に応じた地域経済の振興に向けた事業に活用できるよう、追加的な財源措置を講ずること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。