発議案第1号 学生の学費負担軽減、奨学金の拡充を求める意見書
議決日:平成25年10月11日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣
学生の学費負担軽減、奨学金の拡充を求める意見書
学生の学費負担を軽減し、奨学金を拡充することを強く要望する。
理由
現在、若者にとって、奨学金の返済が大きな負担になっている。日本学生支援機構では、平成24年度末の滞納者は約33万人、滞納額は約925億円となり、大きな社会問題ともなっている。
背景には、奨学金事業に対しての公的支出があまりにも少ないことが上げられる。日本学生支援機構の平成25年度奨学金貸与事業費予算額1兆1,982億円のうち、一般会計借入金等はわずか790億円に過ぎない。資金の大部分が、民間の銀行や証券会社からの借入れ、機構が売り出す債券などで占められており、奨学金のローン化、ビジネス化を招いている。
この問題の根本には、大学、専門学校等の入学金や授業料の学生負担が高すぎることが上げられる。国立大学法人の初年度納付金が約81万円、私立大学法人に至っては約120万円から約150万円である。政府は昨年9月、中等、高等教育の漸進的無償化を定めた国際人権規約第13条2項(b)、(c)の留保を撤回した。文部科学省中央教育審議会は「第2期教育振興基本計画策定に向け、OECD諸国並みの公的支出を行うことを目指す。」と答申している。これを速やかに実行に移し、奨学金問題を早急に解決するとともに、教育への公的支出を増額し、高い学費負担の抜本的解決を図ることが必要であると考える。
ついては、国において、次の事項を実現するよう強く要望する。
1 来年度の国立大学法人の授業料標準額を引き下げるための予算を措置すること。
2 日本学生支援機構への政府支出を増額し、奨学金制度の充実、改善を進めること。
(1)高校生、大学生、専門学校生向けの給付制奨学金制度を創設すること。
(2)無利子奨学金の枠を増やすこと。
(3)返還が困難な人に対しての、返済猶予期間(5年)を延長すること。滞納者に対する延滞金(年利10%)は見直すこと。個人信用情報機関への登録及び債権回収会社を使った取立てをやめること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。