発議案第17号 子宮頸がん予防ワクチン接種後の重篤な副反応の被害者救済を求める意見書
議決日:平成26年3月25日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣
子宮頸がん予防ワクチン接種後の重篤な副反応の被害者救済を求める意見書
子宮頸がん予防ワクチンの接種後における重篤な副反応の被害者救済対策を早急に講ずるよう強く要望する。
理由
子宮頸がんの予防には、ワクチンの接種が有効とされ、世界保健機関(WHO)がワクチン接種を推奨するとともに、多くの先進国で公的接種が行われている。
我が国では、2013年4月1日から予防接種法による定期接種が行われているが、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛がワクチン接種後に特異的にみられたことから、同年6月に厚生労働省から、副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとする勧告がされたところである。
こうした中、同年12月25日開催の国の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の報告によれば、ワクチンが販売開始された2009年12月から2013年9月までに医療機関等から報告された副反応件数は2,320件で、そのうち重篤な副反応は538件とされており、本県でも2013年4月以降、3件の報告がなされ、うち2件の重篤な事例があった。副反応の症状には様々な症例があることから、接種によるものか否か判断が分かれるケースも想定され、一刻も早い原因究明が求められる。
さらに、発症による専門の医療機関等への通院と治療、学業などへの影響は、被害者に精神的・肉体的苦痛をもたらすとともに、家族の精神的・経済的負担も大変重い状況となっており、早急な救済策等が必要である。
よって、国においては、国民の健康と安全を守るため、子宮頸がん予防ワクチンの接種後における、重篤な副反応の被害者に対する早急な救済策等について、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 子宮頸がん予防ワクチンの副反応に関する情報を適切に掌握し、因果関係など徹底した検証と解明を行うとともに、その結果を速やかに公表すること。
2 子宮頸がん予防ワクチンの接種後に生じた健康被害に対する相談体制を構築するとともに、治療方法の早期確立を図ること。
3 子宮頸がん予防ワクチンの接種と副反応の因果関係が明らかになった場合には、定期接種以前の被害者を含め、国が責任をもって補償するとともに、副反応の疑いのある者などへの、検査や治療等に係る負担の軽減などの支援策を講ずること。
4 公立・私立の別なく、ワクチン接種に関連したと思われる症状により教育活動の制限が生じた児童生徒等の学校生活や進学及び就職に配慮し、特段の支援策を講ずること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。