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議員提出議案

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件名

発議案第2号 労働者派遣法等の改正による規制緩和を行わないことを求める意見書

本会議議決結果

議決日:平成27年7月8日
議決結果:原案可決

内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣(規制改革)

 労働者派遣法等の改正による規制緩和を行わないことを求める意見書

 国民が安心して働き続けることができる社会の実現と、格差社会の是正に向け、労働者派遣法等の改正による規制緩和を行わず、廃案とするよう強く要望する。

理由
 政府は、今通常国会で、過去2度の国会で廃案となった労働者派遣法等の改正案の成立を目指しており、平成27年6月19日にこの法案が衆議院を通過したところである。
 労働者派遣制度の世界的な基準は、派遣労働は臨時的・一時的業務に限るとともに、同一労働・同一賃金の均等待遇とすべきというものであるが、今回の労働者派遣法改正案は、政令で定める26業務を除き、原則1年、最長3年という派遣の期間制限を設けている現行法を改め、同一の派遣先が派遣期間3年を超える派遣労働者を受入れることが可能となる制度を新たに設けるほか、派遣先の事業所による派遣労働者に対する雇用契約の申込み義務を廃止するものであるため、雇用が不安定で低賃金の派遣労働者の更なる増加や、派遣労働者が正規雇用を望んでもいつまでも派遣労働者のままに置かれること等が危惧される。
 また、労働基準法等の改正案は、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする高度プロフェッショナル制度の導入や、裁量労働制の拡大を図ろうとするものであり、過重労働に起因する過労死が社会問題となっている中、労働時間等の規定が適用されないこととなる労働者の過重労働が懸念される。
 よって、国においては、国民が安心して働き続けることができる社会の実現と、格差社会の是正に向け、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 労働者派遣法、労働基準法等の改正による、労働者派遣制度や一部の労働者を労働時間規制の適用除外とするなどの規制緩和は行わず、廃案とすること。
2 正規雇用と派遣労働者との均等待遇を図るため、同一労働・同一賃金を推進する施策を講じるとともに、派遣労働者の正規雇用への転換を進めるルールを整備すること。
3 過労死等防止対策推進法に基づき、労働時間の上限規制を設けるなど、長時間労働是正のため、実効性ある対策を盛り込んだ過労死等防止施策を総合的に推進すること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

議員別の賛否の状況

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