発議案第5号 森林・林業施策の推進及び森林吸収源対策に係る安定的な財源確保を求める意見書
議決日:平成27年12月11日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、環境大臣
森林・林業施策の推進及び森林吸収源対策に係る安定的な財源確保を求める意見書
森林の持つ多面的機能の十全な発揮のため、森林・林業施策を推進するとともに、森林整備や地域材の利活用等の森林吸収源対策に係る安定的な財源を確保するよう強く要望する。
理由
我が国の森林は国土の7割を占め、国土の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止等の多面的機能を有しており、国民生活及び国民経済に様々な恩恵をもたらしている。
しかしながら、森林・林業・木材関連産業の現状は、長期にわたる経済低迷の影響により、経営基盤が依然としてぜい弱で、山村の疲弊も著しい状況にあり、立地条件に対応した間伐や再造林などの森林整備、地域材等の利活用など、森林・林業施策の推進が急務である。
また、地球温暖化防止に当たっては、森林による吸収量の確保が極めて重要な役割を果たしており、森林整備や地域材等の利活用を図ることは、気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)で表明した我が国の目標である2020年度の森林吸収量2.8パーセント以上(2005年度比)の確保に直接つながること、発生した端材などをバイオマスエネルギーとして利用することで温室効果ガスの排出削減に貢献することの両面の効果がある。
加えて、林業を成長産業化していくことは、山村地域を中心とする雇用・所得の拡大による地方創生にも大きく貢献するものである。
よって、国においては、森林の持つ多面的機能の十全な発揮のため、森林・林業施策を推進するとともに、森林整備や地域材の利活用等の森林吸収源対策に係る安定的な財源の確保に向け、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 森林整備や木材利用等の森林吸収源対策は、地球温暖化対策の重要な柱であるとともに、地方創生にも大きく貢献することから、「地球温暖化対策のための税」の使途に森林吸収源対策を追加するなど、その安定した、かつ、地方が裁量をもって使用できる財源の充実・強化のための制度を速やかに構築すること。
2 上記の安定した財源が確保されるまでの間の財政面での対応等として、平成28年度予算及び平成27年度補正予算において、森林整備・木材利用等の推進のための予算を十分に確保すること。
3 森林・林業基本計画の着実な推進、地方創生と連動した森林等の保全の推進並びに山村における産業基盤及び生活環境の整備の促進を図るとともに、地域材を利用した公共建築物整備など木材利用の促進を図ること。
4 条件不利地域など適正な整備が行われない森林については、環境林整備事業や水源林造成事業等による公的森林整備の拡充を図ること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。