発議案第4号 平成28年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書
議決日:平成28年3月24日
議決結果:原案可決
意見書提出先:岩手労働局長、岩手地方最低賃金審議会長
平成28年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書
県内勤労者の労働条件の改善のため、岩手県最低賃金の適切な引上げ及び事業所に対する最低賃金制度の周知徹底等について、適切な措置を講ずるよう強く要望する。
理由
本県では東日本大震災津波からの復旧・復興に懸命に取り組んでいるところであるが、一定水準の賃金の保障を始めとした雇用環境が確保されなければ、人材確保が厳しくなり、被災者の生活再建や地域の復興への影響が懸念される。
このような中、労働基準法第2条は、労働条件は、労働者と使用者が、対等な立場において決定すべきものと定めているが、最低賃金の影響を受ける多くの非正規労働者やパートタイム労働者は、労働条件の決定にほとんど関与することができない状況にある。
一方、政府においては、平成20年の成長力底上げ戦略推進円卓会議において、最低賃金の中長期的な引上げに向けた基本方向について合意し、平成22年の雇用戦略対話第4回会合において数値目標が初めて示された中にあって、岩手県最低賃金は、ここ9年間で85円引き上げられているものの、あるべき水準への引上げがなされておらず、県内勤労者の有効なセーフティネットとして十分に機能しているとは言えない。
最低賃金制度を有効に機能させるためには、地域間の賃金格差の是正、賃金水準の大幅な引上げや中小企業の生産力向上が極めて重要な課題である。
よって、平成28年度の岩手県最低賃金の改正に当たり、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 平成28年度の岩手県最低賃金の改正に当たっては、雇用戦略対話の合意に基づき早期に800円を確保し、景気状況に配慮しつつ全国平均1,000円に到達することができる審議会運営を図るとともに、各種経済指標との整合性を図り、中央水準との格差是正を踏まえた上積みを図ること。
2 県内で最低賃金を下回る賃金の労働者をなくすため、事業所に対する指導監督を強化し、最低賃金制度の履行確保を図ること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。