発議案第9号 給付型奨学金の創設及び無利子奨学金の拡充を求める意見書
議決日:平成28年11月11日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣
給付型奨学金の創設及び無利子奨学金の拡充を求める意見書
納税者である国民の理解も得つつ、学生が安心して勉学に励めるよう、返済不要の給付型奨学金の創設や無利子奨学金の拡充など具体的な経済支援策を講ずるよう強く要望する。
理由
現行の国の奨学金制度は、独立行政法人日本学生支援機構を通じて学生に貸与し、その返済金を次世代の奨学金の原資とする形で運営されている。この奨学金制度は、国立大学及び私立大学とも授業料が高止まりしていることなどが背景となり、平成28年度の利用者は大学生らの約4割に当たる132万人に上る一方、非正規雇用などによって卒業後の収入が安定せず、奨学金の返済に悩む事例が少なくない。
そのような中、国は平成28年6月2日に閣議決定したニッポン一億総活躍プランにおいて、返済不要の給付型奨学金の創設を検討することを盛り込んだ。現在、OECDに加盟する34か国のうち、給付型奨学金制度がないのは日本とアイスランドだけである。
よって国においては、納税者である国民の理解も得つつ、学生が安心して勉学に励めるよう、返済不要の給付型奨学金の創設や無利子奨学金の拡充など具体的な経済支援策として、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 学ぶ意欲のある若者が経済的理由で進学を断念することがないよう、奨学金や授業料減免などの支援を拡充するとともに、貧困の連鎖を断ち切るため、平成29年度を目途に給付型奨学金を創設すること。
2 希望する全ての学生等への無利子奨学金の貸与を目指し、「有利子から無利子へ」の流れを加速するとともに、無利子奨学金の残存適格者を直ちに解消すること。
3 返還月額が所得に連動する新所得連動変換型奨学金制度については、制度設計を着実に進め、既卒者への適用も推進すること。併せて、現下の低金利環境を踏まえ、有利子奨学金の金利を引き下げること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。