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議員提出議案

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件名

発議案第13号 WTO・FTA交渉に関する意見書

本会議議決結果

議決日:平成16年12月15日
議決結果:原案可決

内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、財務大臣、農林水産大臣

 WTO・FTA交渉に関する意見書

 WTO及びFTAにおける農業分野の交渉に当たって、農業の多面的機能の発揮と食料の安全保障、各国農業の共存と食料自給率向上が図られるよう強く要望する。

理由
 WTO交渉は今後の交渉の前提となる大枠合意がなされたが、アメリカを初めとする農産物輸出国は、今後も上限関税の設定や関税割当数量の大幅拡大などを要求すると考えられる。これは農産物輸出国の輸出拡大を容易にし、日本農業への打撃はもとより、食料の安全・安定供給、環境などにも大きな影響を与えるものである。
 また、アメリカなどが行っている国内農家への手厚い補助や輸出補助政策については、大枠合意後の交渉によっては実質的削減に結びつかないものとなる恐れがあることから、輸出国・輸入国のバランスを欠いたルールを是正し、地球規模での食料・環境問題を解決するため、各国が自国の生産資源を最大限活用し、共生・共存できる新たな農産物貿易ルールの確立が求められている。
 さらに、現在交渉が行われているFTAについては、特に東南アジア各国からは農産物の貿易自由化が求められ、工業製品の輸出自由化のために、農業分野が大幅な譲歩を強いられ、食料や農業は大きな影響を受けることが懸念される。
 よって、国においては、WTO及びFTAにおける農業分野の交渉に当たって、農業の多面的機能の発揮と食料の安全保障、各国の農業の共存と食料自給率向上が可能な貿易ルールの実現のため、次の事項について措置されるよう強く要望する。

1 WTO農業交渉では、世界的な飢餓の拡大や地球規模での環境悪化につながることのないよう、農林水産業の多面的機能の発揮や食料自給率の向上が図られるとともに、各国の多様な農林水産業が共生・共存できる貿易ルールに改めることについて確固たる姿勢で臨むこと。
2 上限関税の設定や関税割当数量の一律的・義務的拡大が導入されないようにすること。
3 国内農林水産業の維持を可能とする関税率水準や国家貿易体制、特別セーフガードの維持などの国境措置を確保し、急速な市場開放には絶対応じないこと。
4 AMSの適正な削減と、緑の政策の要件緩和など国内支持政策に関する適切な規律を確保すること。
5 東アジア諸国とのFTA交渉では、我が国の基幹作目や地域の重要品目の関税撤廃・削減は、国内農業へ打撃を与え、WTO農業交渉や他国との交渉に重大な影響を与えることから、絶対に行わないこと。
6 WTO・FTA交渉についての情報公開を徹底し、各国の農業者や消費者・市民の声を反映すること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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