発議案第14号 成年後見制度の充実を求める意見書
議決日:平成29年3月22日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、法務大臣、厚生労働大臣、内閣特命担当大臣(少子化対策)
成年後見制度の充実を求める意見書
成年後見制度が適切に活用されるとともに利用促進が図られるよう、成年後見制度の充実を強く要望する。
理由
成年後見制度は、認知症、知的障がいその他の精神上の障がいがあることにより財産の管理や日常生活などに支障がある人々を社会全体で支え合う重要な制度である。少子高齢化の進行とともに認知症高齢者や一人暮らし高齢者は増加の一途をたどっており、成年後見制度の必要性がこれまでになく高まっているにもかかわらず十分には活用されてこなかった。
このような中、平成28年5月に成年後見制度の利用の促進に関する法律が施行され、国は、法律の理念にのっとり、成年後見制度の利用促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有することと規定されているが、対策は十分とは言えない状況にある。
平成27年の「成年後見関係事件の概況」によれば、成年後見人の約半数は弁護士、司法書士以外の者であり、成年後見制度の利用促進に伴い、新たな成年後見人が必要になることが見込まれるため、地域において成年後見人になる人材の育成、確保が急務となっている。
また、成年被後見人の所得や資産が乏しいことから、成年後見人に対する報酬の支払いが困難になり、報酬を受け取れないまま成年後見業務を担っている場合も散見されるため、早急な改善を図る必要がある。
よって、国においては、成年後見制度が適切に活用されるとともに利用促進が図られるよう、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 成年後見制度が適切に活用されるよう、制度の理解促進を積極的に図ること。
2 成年被後見人の所得や資産が乏しい場合であっても、成年後見人に適切な報酬が付与されるよう、財源の確保及び制度の充実を図ること。
3 成年後見人になる人材を確保するため、研修の機会の確保などの育成体制を構築すること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。