発議案第5号 東日本大震災津波及び台風第10号災害からの復興とふるさと振興の推進のための地方財政の充実・強化を求める意見書
議決日:平成29年7月7日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、内閣官房長官、復興大臣、内閣府特命担当大臣(地方創生)
東日本大震災津波及び台風第10号災害からの復興とふるさと振興の推進のための地方財政の充実・強化を求める意見書
東日本大震災津波や台風第10号災害からの速やかな復興はもとより、地方公共団体における確実な行政運営の推進、その基盤となる地方公務員の人材確保等に向けて、地方財政の充実・強化を図るよう強く要望する。
理由
本県では、東日本大震災津波からの着実な復興及び平成28年台風第10号災害からの速やかな復旧に当たり、安定した財源措置が必要不可欠である。
加えて、子育て支援策の充実、医療・介護などの社会保障への対応、地域交通の維持などの諸課題や防災・減災対策などの新たな政策課題に対し、公共サービスの質の維持を図るためには、人材の確保とともに、これに見合う地方財政の確立が一層重要となっている。
また、同一労働同一賃金の一環として、地方公共団体の臨時的任用職員及び非常勤職員の処遇改善を目的とした地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律が平成32年から施行されるが、この適正な運用のためには、常勤職員を中心とする公務運営の原則を維持しながら、処遇改善に係る経費を適切に地方交付税に算定するなど一層の地方財政対策が必要である。
国では、経済財政運営と改革の基本方針2017を閣議決定し、働き方改革、人材投資・教育、子供子育て支援の充実などを掲げる一方、経済・財政一体改革の推進のため、社会保障制度の見直し、公共サービスの広域化・共同化や窓口業務の民間委託の全面展開などを進めるとしており、今後、地方財政の歳出削減が懸念される。
よって、国においては、平成30年度の政府予算と地方財政計画の検討に当たって、東日本大震災津波や台風第10号災害からの速やかな復興はもとより、地方公共団体における確実な行政運営の推進、その基盤となる地方公務員の人材確保等に向けて、地方財政の充実・強化を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 東日本大震災及び台風第10号災害からの復旧・復興をはじめ、子供子育て支援、社会保障、災害対策、地域交通対策、人口減少対策、ふるさと振興策(まち・ひと・しごと創生事業)など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見
合う地方一般財源総額の確保を図ること。
2 地方交付税の財源保障機能、財政調整機能の強化を図り、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握、小規模地方自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。併せて、地方交付税原資の確保のため、対象国税4税(所得税、法人税、酒税、消費税)の法定率引き上げを行うこと。
3 地方公共団体における臨時的任用職員及び非常勤職員の処遇改善に係る地方財政措置を適切に講じること。併せて、公務運営に当たっては、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営の原則を維持する観点から、常勤の地方公務員の確保に係る地方財政措置の拡充を図ること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。