発議案第9号 海洋ごみの処理推進を求める意見書
議決日:平成29年7月7日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、環境大臣、内閣官房長官
海洋ごみの処理推進を求める意見書
海洋ごみの処理の推進、発生抑制及び削減するため、地方公共団体に対する財政支援措置等を講ずるよう強く要望する。
理由
昨年、本県をはじめ全国各地を襲った台風により河川の決壊や土砂災害等が発生し、各地に甚大かつ深刻な被害がもたらされた。その際、氾濫した河川から流れ出た大量の流木やごみ等は、漁業などの産業に大きな被害をもたらし、海岸に漂着した流木の処理に長時間を要する事態となっている。
また、海洋ごみは災害関連のものだけではなく、2015年のG7エルマウ・サミットにおいて、プラスチックごみによる海洋汚染が取り上げられるなど、海洋ごみ対策は世界的課題として認識されてきており、2016年のG7伊勢志摩サミットにおいても、海洋ごみの発生抑制及び削減に向けて対処することが確認されている。
この海洋ごみは、国内外を問わず多様な地域由来のものが混在しており、地方公共団体にとっては自ら発生抑制対策を行ったとしても問題解決につながらない状況にある。特に、海洋ごみの多くは河川を経由して流入しているとの指摘もあり、これらに対する発生源対策は重要課題である。
よって、国においては、海洋ごみの処理の推進、発生抑制及び削減するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 海洋ごみの処理等が円滑かつ継続的に実施できるよう、地方公共団体に対し、海洋ごみ対策に係る財政支援措置を講ずるとともに、地方負担が発生しないよう補助率を引き上げること。
2 災害等で流木等が大量に発生した場合、漁業の経営や船舶の航行等に大きな影響を及ぼすことから、地方公共団体が行う迅速な処理等に必要な予算額の確保と早期の事業採択を行うとともに、国庫補助対象の拡大や補助率の引き上げなどを図ること。
3 海洋ごみの主要な発生源となっている河川については、海洋ごみの発生を総合的に抑制する観点から、国管理以外の河川を含む新たな発生源対策を講ずること。
4 海洋プラスチックごみについては、国際社会と連携してその発生抑制及び削減に努めるとともに、マイクロプラスチックを含む海洋ごみの量、分布等の実態を把握するための調査を更に推進し、国民生活への影響を回避するための研究を進めること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。