発議案第9号 医療的ケアを必要とする子どもたちへの更なる支援を求める意見書
議決日:平成29年10月10日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣
医療的ケアを必要とする子どもたちへの更なる支援を求める意見書
在宅ケア児とその家族が安心して社会的生活を営める在宅ケア体制を構築するため、在宅ケア児に対する包括的な支援制度の確立と財源措置を講ずるよう強く要望する。
理由
医療的ケアを必要とする障がいや慢性疾患を持った子どもたち、とりわけ在宅での医療的ケア児を支える人材が不足しており、早期に予後の健全な発達を促す医療関係従事者を確保し、適切な支援を行うことが求められている。
また、在宅ケア児は高齢者の在宅介護と異なり、介護保険のようなケアマネジャーやデイケア等も不十分であることから、家族の負担が大変大きくなっているなど、制度が現状に追い付いていない状況である。
よって、国においては、在宅ケア児とその家族が安心して社会的生活を営める在宅ケア体制を構築するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 小児在宅医療、介護の推進を図るため、訪問看護ステーションの充実に向けた人員確保や施設整備への支援及び診療報酬や介護報酬上の適切な措置を講ずること。
2 在宅ケア児を受け入れることができるよう、放課後等デイサービス事業所等の通所事業所において、看護師の職員配置加算を行うこと。
3 在宅ケア児の保育や教育のニーズに応えるため、学校、保育所、幼稚園、認定こども園等への看護師等の配置や派遣、保育士や教員、学校等関係者への指導研修など、在宅ケア児の受け入れに必要な対策を拡充すること。
4 医療的ケアが必要な重症心身障害児(者)等の短期入所の受け入れが円滑に行われるよう、短期入所サービスに係る報酬を充実させるとともに、医療機関が積極的に取り組むための必要な措置を講ずること。
5 今後、在宅ケア児の増加に伴い需要が見込まれる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、医療関係従事者の養成確保対策の充実を図ること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。