発議案第9号 空き家対策の充実を求める意見書
議決日:平成29年12月11日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、国土交通大臣、内閣官房長官
空き家対策の充実を求める意見書
空き家の除却等の市町村が行う空き家対策にかかる負担の軽減や所有者に対する空き家の予防啓発を行うなど、空き家対策の推進を図るよう強く要望する。
理由
国が平成25年に実施した住宅・土地統計調査では、全国の空き家の総数は約820万戸で、そのうち賃貸用の住宅等を除いて長期にわたって人が居住していない空き家は約318万戸となっており、この20年で倍増している。
このような中、平成27年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法が全面施行され、市町村が特定空家等と認めたものについては、除却、修繕、立木竹の伐採等に関する助言又は指導、勧告、命令に加え、行政代執行による強制執行が可能となった。
また、空き家の最大要因である相続に由来する空き家等の有効活用を促進することによる新たな空き家の発生の抑制を目的とした所得税や個人住民税に係る特例措置の創設など税制上の措置が新たに設けられたところである。
しかしながら、行政代執行による強制執行は膨大な事務量と専門的知識が必要となるほか、所有者や相続権を有する者が不明である場合等が多く、相続放棄や所有者不在などにより撤去費用が回収不能となり、市町村の財政に影響を及ぼす恐れがある。
また、今後、人口減少等により空き家の一層の増加が見込まれており、空き家を発生させない取組も必要である。
よって、国においては、空き家の除却等の市町村が行う空き家対策にかかる負担の軽減、所有者に対する空き家の予防啓発を行うなど、空き家対策を推進するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 市町村が行う空き家の除却や利活用など空き家対策に必要な財政支援を拡充、強化すること。
2 所有者自らが空き家対策を行えるよう、売却や解体等を行う場合の各種手続や、空き家となった場合のリスクや負担増について情報提供するなど、空き家の予防啓発を行うこと。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。