発議案第2号 最低賃金改正等に関する意見書
議決日:平成30年3月20日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、中央最低賃金審議会長
最低賃金改正等に関する意見書
勤労者の労働条件の改善のため、最低賃金の引上げ及び中小企業に対する支援の充実について、適切な措置を講ずるよう強く要望する。
理由
本県では東日本大震災津波からの復旧・復興に懸命に取り組んでいるところであるが、一定水準の賃金の保障をはじめとした雇用環境が確保されなければ、人材確保が厳しくなり、被災者の生活再建や地域の復興への影響が懸念される。
このような中、労働基準法第2条は、労働条件は、労働者と使用者が、対等な立場において決定すべきものと定めているが、最低賃金の影響を受ける多くの非正規労働者やパートタイム労働者は、労働条件の決定にほとんど関与することができない状況にある。
一方、政府においては、平成20年の成長力底上げ戦略推進円卓会議において、最低賃金の中長期的な引上げに向けた基本方向について合意し、平成22年の雇用戦略対話第4回会合において数値目標が初めて示されたが、あるべき水準への引上げができていない現状にある。
最低賃金制度を有効に機能させるためには、地域間の賃金格差の是正、賃金水準の大幅な引上げや中小企業の生産性向上が極めて重要な課題である。
よって、国においては、最低賃金の引上げ及び中小企業に対する支援の充実について、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 最低賃金の改正に当たっては、雇用戦略対話の合意に基づき、早期に最低でも800円を確保し、景気状況に配慮しつつ全国平均1,000円に到達させること。
2 以下の制度改正を行うこと。
(1)最低賃金を年金支給額、下請単価、企業や農業者の労働単価等と連動させ、ナショナルミニマムの基軸とすること。
(2)最低賃金を引上げるため、中小企業振興策を拡充するとともに、中小企業の負担を軽減するための直接支援として、賃金助成制度並びに中小企業及び中小企業で働く労働者の社会保険料負担や税の減免制度を創設すること。
3 中小企業に対する支援の充実とその周知を図り、安定した経営を可能とする対策を講じること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。