発議案第14号 農林水産物・食品の輸出力強化を求める意見書
議決日:平成31年3月25日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、外務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(規制改革)
農林水産物・食品の輸出力強化を求める意見書
農林漁業者や食品事業者の輸出拡大に向けた意欲的な取組が促進されるよう強く要望する。
理由
政府は2019年までに農林水産物・食品の輸出額1兆円を達成し、その実績を基に、新たに2030年に5兆円の実現を目指す目標を掲げている。そのような中、2012年に4,497億円だった輸出額は2018年の速報値では9,068億円と順調に推移しており、2019年の輸出額の目標の1兆円が達成されるものと期待されている。
2013年には「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを契機として、世界において日本食への関心が高まるなど、日本の農林水産物・食品を世界に売り込む大きなチャンスとなっている。
輸出は、農林水産物・食品の販路拡大につながる重要な手段であり、海外のニーズに合ったバリューチェーンをつなぐことができれば、農林漁業者や食品事業者の所得の向上が期待できる。このことから、輸出を実行する農林漁業者や食品事業者のチャレンジや創意工夫が一層引き出され、意欲的な取組が行われるよう、国は側面から支援し、民間では対応できない外国の規制緩和等への対応を行っていく必要がある。
よって、国においては、2016年に政府がとりまとめた「農林水産業の輸出力強化戦略」に基づき、輸出拡大に向けた事業者の意欲的な取組の促進に向け、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 現地のニーズなどの情報を一元的に集約・提供するとともに、インバウンドとの連携や日本文化との一体的なプロモーションに取り組み、輸出拡大に結び付けること。
2 輸出に関する相談・支援体制の強化、生産者による直接輸出をはじめとする様々な販売ルートの確立、海外のニーズや輸入規制に適合した生産体制の整備など、販路開拓・供給面の支援を行うこと。
3 共同輸送の促進等を通じた出荷単位の大口化、最新の鮮度保持技術の普及促進・新規技術開発により、効果的で低コストな物流体制の構築を図ること。
4 輸出手続きの簡素化や輸出に関する規制等の緩和・撤廃に向けた取組を加速させるとともに、国際的な認証取得の推進や地理的表示を保護できる制度の整備等、輸出力強化のための環境の整備を行うこと。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。