発議案第7号 空き家対策の強化等を求める意見書
議決日:令和元年7月3日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、法務大臣、財務大臣、国土交通大臣、内閣官房長官
空き家対策の強化等を求める意見書
所有者不明の空き家対策を強化するとともに、特定空家等の除却を促進させるよう強く要望する。
理由
人口減少社会の進展などにより、全国で空き家・空き地が増加し、社会的な問題となっている。
平成30年に行われた住宅・土地統計調査によると、全国の空き家総数は、約846万戸、空き家率は13.6%といずれも過去最高に達した。そのうち別荘などの二次的住宅や賃貸用又は売却用の住宅を除く、長期にわたって人が居住していない空き家は347万戸と、この20年で倍増している。
このような中、平成27年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法が全面施行され、特定空家等については、除去、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言又は指導、勧告、命令に加え、行政代執行による強制執行が可能となった。
また、相続登記が末了のまま放置されている不動産が増加し、これがいわゆる所有者不明土地問題や空き家問題の一因となっていると指摘されていたことから、平成29年5月から法定相続情報証明制度の運用が開始され、認証文付き法定相続情報一覧図の写しが相続手続に利用されることで、相続手続に係る相続人と手続の担当部署双方の負担軽減のほか、相続登記の必要性についての意識の向上が図られている。
しかしながら、今後、人口減少等により空き家の一層の増加が見込まれており、空き家の発生を抑制するためのさらなる取組も必要である。
よって、国においては、所有者不明の空き家対策を強化するとともに、特定空家等の除却の促進を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 所有者が不明となっている特定空家等への略式代執行については、市町村の財政的な負担が大きいため、国庫補助を拡充すること。また、略式代執行による空き家の除去以外の応急措置及び周辺の生活環境に悪影響を及ぼしている空地の応急措置に対しても財政支援を行うこと。
2 不動産の相続登記を促進するため、法定相続情報証明制度の周知徹底を図ること。
3 所有者による円滑な空き家除去を促進するため、自主的に空き家を除去した後の土地について、市町村の判断で、固定資産税・都市計画税の住宅用地特例を一定期間継続できるよう制度を拡充すること。
4 活用可能な空き家の利活用を図るため、市町村が行う地域の活性化に資する施設への転用について財政支援を拡充すること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。