発議案第12号 世界遺産及び無形文化遺産を継承していくための総合的な支援の充実等を求める意見書
議決日:令和元年7月3日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、文部科学大臣、文化庁長官
世界遺産及び無形文化遺産を継承していくための総合的な支援の充実等を求める意見書
郷土の世界遺産及び無形文化遺産が途絶えることのないよう、社会全体で遺産を継承し、地域を活性化していくための総合的な支援を充実するとともに、北海道・北東北の縄文遺跡群のユネスコへの世界遺産登録の推薦と、伝統建築工匠の技の無形文化遺産登録が早期に実現するよう強く要望する。
理由
本県においては、「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」と、橋野鉄鉱山を含む「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の二つの文化遺産がユネスコの世界遺産に登録されている。また、「早池峰神楽」と、吉浜のスネカを含む「来訪神:仮面・仮装の神々」の二つの文化遺産がユネスコの無形文化遺産に登録されている。さらに、昨年7月に開催された国の文化審議会世界文化遺産部会において、北海道・北東北の縄文遺跡群がユネスコの世界遺産の推薦候補とされたところである。加えて、今後、平泉の世界遺産について拡張登録を目指すほか、現在ユネスコに登録提案中の日本産漆生産・精製の伝統技術を含む「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」など、本県には世界遺産及び無形文化遺産に値すると考えられる文化遺産が多数存在している。
こうした中、文化遺産の維持管理がますます重要になっており、遺産を継承していくための担い手の確保、保存、活動にかかる費用、遺産を活用した地域振興等の課題が生じている。遺産は一度失われてしまうと再興できなくなるものであり、地域住民だけでなく、行政や関係団体が協働し、遺産を継承していくとともに、遺産を生かした観光・産業振興に取り組み、地域を活性化していくことが必要である。
よって、国においては、郷土の世界遺産及び無形文化遺産が途絶えることのないよう、社会全体で遺産を継承し、地域を活性化していくための総合的な支援を充実するとともに、北海道・北東北の縄文遺跡群のユネスコへの世界遺産登録の推薦と、伝統建築工匠の技の無形文化遺産登録が早期に実現するよう強く要望する。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。