発議案第2号 私学助成制度の充実を求める意見書
議決日:令和元年12月11日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣
私学助成制度の充実を求める意見書
我が国の学校教育における私学教育の重要性や私学を取り巻く厳しい状況に鑑み、私立学校に対する助成制度の一層の充実を図るよう強く要望する。
理由
我が国における教育の発展を図るためには、公私相まっての教育体制の維持が不可欠であり、経営基盤の弱い私立学校の教育条件の維持向上と経営の健全化を図ることが極めて重要である。
私立学校は、各々建学の精神に基づき、時代や社会の要請に応じた特色ある教育を積極的に展開し、教育の発展に大きな役割を果たしているが、少子高齢化が進行し人口減少が進む我が国において、持続可能な社会を実現していくには、国の進める新しい教育に的確に対応するための教育環境を整備し、新たな時代に向けた人材を育成していくことが求められている。
これまで、私立高等学校の生徒に対する就学支援金制度や、私立小中学校等の児童生徒への経済的支援制度により、対象となる保護者の負担は軽減されてきたものの、依然として保護者負担の公私間格差は大きく、事実上無償化されている公立高等学校との学納金の負担格差の下では、授業料の改定も難しい状況である。
また、公立学校と比較して遅れている学校施設の耐震化や、教室内の温度は28度以下であることが望ましいとされている学校環境衛生基準を満たすための冷房設備の設置等、子供たちの安心、安全な教育環境を確保するための施設、設備の整備には多額の費用を要し、各私立学校とも一層厳しい局面に立たされている。
よって、国においては、我が国の学校教育における私学教育の重要性を認識し、私学を取り巻く厳しい状況に鑑み、私立学校に対する助成制度等の一層の充実を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 私立学校に対する経常費助成費等の補助の拡充強化及び過疎特別助成の継続等、私学助成制度の一層の充実を図ること。
2 私立学校のICT環境の整備に対する補助の拡充強化を図ること。
3 私立学校の冷房設備整備に対する補助について、公立学校並みの補助制度の新設と既存補助制度の拡充を図ること。
4 私立学校施設の耐震化に対する補助を継続、拡充すること。
5 私立高等学校等就学支援金制度について、来年度実施が予定されている年収590万円未満の世帯を対象とした授業料の実質無償化を確実に実施するとともに、就学支援金の基本額の引上げや私立高等学校及び特別支援学校の専攻科の生徒を対象とした制度の新設等、一層の拡充強化を図ること。
6 私立小中学校等の児童生徒への経済的支援制度の拡充強化を図ること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。