発議案第2号 住民基本台帳の閲覧制度の早期見直しを求める意見書
議決日:平成17年7月4日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣
住民基本台帳の閲覧制度の早期見直しを求める意見書
個人情報を保護し、住民基本台帳の閲覧制度を悪用した事件を防ぐため、「何人でも閲覧を請求できる」と規定されている住民基本台帳の閲覧制度の見直しを早期に行われたい。
理由
現在、個人情報保護に関する法整備の進展とともに、行政機関のみならず民間事業者においても、より適切な個人情報の保護を図ることが喫緊の課題となっている。特にも、本年4月から個人情報保護法が全面施行された中にあって、市町村の窓口において、住民基本台帳法第11条により氏名、住所、生年月日、性別の4情報が原則として誰でも大量に閲覧できる状況にあり、この点は早急に検討・是正すべき課題である。
住民基本台帳制度は、昭和42年制定以来、住民の利便の増進、国及び地方公共団体の行政の合理化を目的とし、居住関係を公証する唯一の公簿として、広く活用されてきたところである。しかし一方、高度情報化社会の急速な進展により、住民のプライバシーに対する関心が高まるにつれて、住民基本台帳の閲覧制度に対する住民の不満や不安は高まっているのも事実である。
さらに、最近では閲覧制度を悪用した悪徳商法や不幸な犯罪事件が発生しており、住民基本台帳法第11条による閲覧制度が現実として住民の権利を著しく侵害しつつあり、自治体独自の取り組みでは補いきれない課題を生じさせている。住民を保護すべき自治体としては、現行の閲覧制度のもとでは、こうした事態への対応は極めて困難である。
よって、国においては、住民基本台帳法に「何人でも閲覧を請求することができる」と規定されている閲覧制度を、原則として行政機関等の職務上の請求や世論調査等の公益に資する目的に限定するなど、抜本的な改革を早急に行われるよう強く要望する。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。