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議員提出議案

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件名

発議案第3号 新型コロナウイルス感染症対策の充実・強化を求める意見書

本会議議決結果

議決日:令和2年10月13日
議決結果:原案可決

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内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

 新型コロナウイルス感染症対策の充実・強化を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症対策のための地方財政の充実を図り、経済及び雇用を回復させ、医療及び国民生活を守るため、次の対策を講ずるよう強く要望する。

理由
 新型コロナウイルス感染症の拡大は進み、日本国内においては感染者の収束の見通しは依然として立っていない状況にある。本県においても、7月29日に初めて感染者が確認されて以来、現在まで24名の感染者が確認されている。全国的に、地域経済の悪化も深刻な状況となっている。
 一方で、これからの季節はインフルエンザと新型コロナウイルスの同時蔓延も危惧され、検査、医療体制の更なる充実が求められている。
 国においては、2度にわたる大型補正予算を措置し、都道府県や市町村と共に感染症の拡大防止や経済対策に取り組んで来たが、国民の命と暮らしを守るための更なる取組が求められている。
 よって、国においては、新型コロナウイルス感染症対策のための地方財政の充実を図り、経済及び雇用を回復させ、医療及び国民生活を守るため、次の対策を講ずるよう強く要望する。

1 地方財政措置の充実
 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金については、対象事業や対象経費を限定することなく、地域の実情に応じ柔軟に活用できるようにすること。
 また、次年度以降も新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金及び新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金と同等の制度を創設するなど、更なる財政措置を講ずること。
2 経済・雇用対策の拡充
 (1)新型コロナウイルス感染症特別貸付について、現行の無利子期間の3年を延長すること。
 (2)信用保証付き融資における融資限度額の更なる引き上げや、融資実施期間及び利子補給期間の延長等、事業者が事業を継続できる支援体制の充実を図ること。
 (3)雇用調整助成金の特例措置を延長すること。また、感染拡大の影響で収入が減少し、施設利用者への賃金の支払いが困難になっている障害者就労支援施設(A型)に対し、雇用調整助成金の活用を可能にする等、支援を強化すること。
 (4)売上減少などにより、廃業・倒産などに追い込まれた個人事業主や小規模事業者を救済するため、業種転換や、再度起業できるよう、資金調達、新規事業参入機会の創出のための支援措置を行うこと。
 (5)新型コロナウイルス感染症の影響によって職を失った失業者を救済するため、東日本大震災津波時の事業復興型雇用創出事業と同様の支援策を講ずること。
 (6)Go Toキャンペーン事業については、誰もが利用でき、参加しやすいように、利用者に制度が伝わりやすく、中小事業者や個人商店も取扱店となれるようシステムや申し込みを簡素化すること。また、観光産業の回復には継続的な観光需要喚起策が必要であることから、第2、第3の各種キャンペーンを効果的に実施すること。
 (7)大会や公演の中止・延期により、経営や運営に大きな支障を来している文化芸術・スポーツ団体やイベント等の事業者に対し、特段の財政的支援を講ずること。
 (8)肉用牛肥育経営安定交付金制度(牛マルキン)について、より地域の実情に即した交付金となるよう、算定方法の基準を見直すこと、及び生産者積立金財源不足を補うための財源の投入、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた生産者負担金単価の設定を行うこと。
3 医療体制の確保
 (1)経済の循環や偏見、差別防止の観点から、帰省や出張などの機会において、必要に応じてPCR検査が受けられるよう、検査体制の更なる拡充や検査費の補助について検討すること。
 (2)インフルエンザ、PCR検査を実施する医療機関への院内感染防止対策支援を実施するとともに、感染リスクに不安を抱えながら治療に当たる医療従事者等が、適切にPCR検査や抗原検査等を受けられるよう、検査体制の充実を図ること。
 (3)医療機関においては、外来・入院とも大幅な患者数の減少が続いており、経営に深刻な影響が出ていることから、災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求を認めるなど、医療機関が経営破綻を起こさないために必要な措置を講ずること。
4 安全・安心な社会生活の確保
 (1)新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態措置の実効性を上げるため、知事の事業者への施設使用制限等の要請や指示に伴う経済的な補償の必要性や、指示に従わない場合における罰則適用を含めた実効性ある制度とするよう改正を検討すること。
 (2)常に感染リスクの不安を抱えながら子どもたちの居場所確保に努めている保育所・幼稚園・認定こども園・放課後児童クラブ等の職員や、薬局薬剤師等に対し、医療・介護従事者と同様の特別手当金(慰労金)を支給するための財政措置を講ずること。
 (3)景気の急速な悪化に伴う生活困窮やうつ病の発症等により、自殺リスクの懸念が高まっていることから、支援制度の充実を図るとともに自殺防止対策に関する相談機関等の広報啓発を積極的に支援すること。
 (4)感染者とその家族、職場等に対する偏見や差別につながる行為は決して許されることではなく、人権侵害や風評被害を防止するための対策を講ずること。
 (5)インターネットにおける誹謗中傷を防止し、被害者を救済するために発信者の開示情報にメールアドレス、IPアドレス、電話番号を追加するとともに、プロバイダーへの開示請求手続きの簡略化及び削除要請に応じないプロバイダーの厳罰化を行うこと。また、AIによるサイバーパトロールの強化を図ること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

議員別の賛否の状況

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