発議案第8号 令和3年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書
議決日:令和3年3月25日
議決結果:原案可決
意見書提出先:岩手労働局長、岩手地方最低賃金審議会長
令和3年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書
県内勤労者の労働条件の改善のため、令和3年度の岩手県最低賃金の改正に当たり、岩手県最低賃金の適切な引上げ等について、適切な措置を講ずるよう強く要望する。
理由
労働基準法第2条において、労働条件は、労働者と使用者が、対等な立場において決定すべきものと定められているが、最低賃金の影響を受けるパートタイム、有期及び派遣労働者の多くは集団的労使関係になく、労働条件決定に関与することが難しい状況にある。
一方、政府においては、経済財政運営と改革の基本方針2020(令和2年7月17日閣議決定)において、賃上げしやすい環境整備に不断に取り組むことと最低賃金を早期に全国加重平均1,000円になることを目指すとの方針を堅持するとし、さらに、国民の命とくらしを守る安心と希望のための総合経済対策(令和2年12月8日閣議決定)においても引き続き最低賃金の引上げに向けた環境整備に取り組むとしている中にあって、岩手県最低賃金は、現在793円と全国最下位は脱したものの、下位に置かれている。
また、都市部との賃金格差は、人手不足が深刻化する中にあって、若者の人口流失にも大きく影響しており、県内勤労者の人材確保をさらに厳しくする要因となっている。
よって、県内勤労者の労働条件の改善のため、令和3年度の岩手県最低賃金の改正に当たり、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 令和3年度の岩手県最低賃金の改正に当たっては、深刻化する本県の人材確保、全国との格差解消、国の度重なる全国加重平均1,000円以上を目指すとの方針を堅持するに鑑み、早期に1,000円以上を目指した引上げを行うこと。
2 特定最低賃金の改正に当たっては、特定最低賃金の目的である労働条件の向上、事業の公正競争を確保する観点から最低賃金より高い水準を確保する必要性やこれまでの経緯等を十分勘案して検討すること。
3 県内で最低賃金を下回る賃金の労働者をなくすため、事業所に対する指導監督を強化し、最低賃金制度の履行確保を図ること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。