発議案第11号 新規就農者確保対策の強化を求める意見書
議決日:令和3年10月13日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、農林水産大臣、内閣官房長官
新規就農者確保対策の強化を求める意見書
新規就農者が安心して就農できる環境の整備を図るための取組を講ずるよう強く要望する。
理由
人口減少と高齢化の進行によって全国的に農業従事者の減少が続く中、国の基幹産業である農業を維持・発展させ、安定的な食糧確保を図るためには、次代の農業の担い手となる新規就農者の確保と定着が重要である。
しかしながら、新規就農を目指すためには、一定期間農業を学ぶ機会が必要であるとともに、就農の際には機械や資材等、経済的な負担も生じるため、意欲があっても就農に踏み出せない者も多く存在するのが実情である。
そのような中、国は新規就農の促進のため49歳以下の者に全額国費負担による支援を行う農業次世代人材投資事業を平成24年度に創設し、平成29年度からは経営開始型の対象者に限って、栽培技術や経営確立に向けた指導、相談等のサポート体制の充実を図ってきたところである。
本県においても、本事業を活用し、これまで多くの新規就農者が地域農業の担い手として活躍しているところであり、今後も事業の継続と更なる拡充が求められている。
しかしながら、国の令和4年度予算概算要求において本事業を改めた新規就農者育成総合対策が打ち出され、この中には、これまでにない2分の1の地方負担が示されており、仮に地方自治体の負担が生じる場合、財政力によって支援の差が生じる懸念があることから、全国知事会において緊急の申し入れが行われたところである。
農業の担い手の確保は、国内全ての地方自治体が抱える重要課題であり、財政力の脆弱な地方自治体が、新規就農者をはじめとする担い手確保を進めるためには、これまで以上の国の支援が必要である。
よって、国においては、新規就農者が安心して就農できる環境の整備を図るため、次の取組を講ずるよう強く要望する。
1 新規就農者育成総合対策においては、地方自治体の財政的負担が生じないよう制度設計を見直すこと。
2 新規就農者の技術の習得、農地の確保に対する支援を進めるとともに、作業機械や作業所等の整備のための支援事業等を創設すること。
3 新規就農者の農地や作業機械、作業所等の円滑な確保のため、国の制度として事業承継の仕組みづくりを進めること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。