発議案第12号 漁業生産力の発展に向けた支援の充実・強化を求める意見書
議決日:令和3年12月8日
議決結果:原案可決
意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、農林水産大臣、内閣官房長官
漁業生産力の発展に向けた支援の充実・強化を求める意見書
漁業生産力の発展に向けて、漁業を取り巻く自然環境や社会経済情勢の変化を踏まえ、漁業者の経営の安定化に資する支援の充実・強化を図るよう強く要望する。
理由
岩手県の漁業は、全国有数の生産量を誇り、関連する水産加工・流通業とともに沿岸地域の基幹産業として、これまでに国民に安全・安心で良質な水産物を提供するなど、我が国の食料システムを支える重要な役割を果たしており、その持続的な発展は、国民生活の安定向上や国民経済の健全な発展に資するものである。
一方で、近年の海洋環境の変化に伴い、本県の主要魚種であるサケ、サンマ、スルメイカ、アワビ等の漁獲量が大きく減少しているほか、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う外食需要の変化、原油価格高騰に伴う燃料コストの増加により、漁業を取り巻く環境は、まさに三重苦の様相を呈している。
このような状況の中、国では令和2年12月に施行された改正漁業法に基づき、漁業生産力を発展させるため、水産資源の持続的な利用とともに、水面の総合的な利用を図ることとしている。
よって、国においては、漁業生産力の発展に向けて、漁業を取り巻く自然環境や社会経済情勢の変化を踏まえ、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 サケの資源回復のため、不漁原因の解明や海洋環境の変化等に適応する稚魚生産技術の高度化など、国の調査研究の充実を図ること。
また、厳しい状況が続いているサケふ化放流事業が持続可能となるよう、強力な支援を行うこと。
2 サンマ、スルメイカ等の資源回復のため、調査研究や資源管理の充実を図ること。
3 クロマグロの資源量が回復傾向にあることを踏まえた漁獲可能量の速やかな見直しと知事管理枠への反映を図ること。
4 漁場におけるアワビ等の資源回復のため、磯焼け対策に係る調査研究や餌料海藻の育成、種苗放流等の一連の取組に対する総合的な支援を行うこと。
5 貝毒で毒化したホタテガイ等の毒量を低減するための国の調査研究の充実を図ること。
6 地域オリジナルのサケ、マス類の養殖への支援の充実を図ること。
7 漁業収入安定対策事業や漁業経営セーフティーネット構築事業に係る制度の周知を図り、円滑な制度利用を促進すること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。