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議員提出議案

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件名

発議案第1号 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉の合意内容についての情報公開と早期の臨時国会召集による徹底的な検証及び議論を求める意見書

本会議議決結果

議決日:平成27年10月20日
議決結果:原案可決

内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、経済再生担当大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)

 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉の合意内容についての情報公開と早期の臨時国会召集による徹底的な検証及び議論を求める意見書

 TPP協定交渉の合意内容等について速やかに情報公開を行うとともに、早期に臨時国会を召集し徹底的な検証と議論を行うよう強く要望する。

理由
 本年10月5日、TPP協定交渉の参加12か国は、アメリカで開催された閣僚会合で大筋合意した。協定が発効すれば国内総生産で世界の4割を占める巨大経済圏が生まれることになるが、報道によれば、関税撤廃や大幅な関税の引下げにより我が国の国内農業への影響が懸念されるほか、自動車産業でも完成車の関税撤廃まで25年かかるとされるなど、我が国の国益に沿うものとなっているか危惧されるところである。また、労働雇用形態や国民の健康、医療の質の確保、地方経済への影響、デフレへの懸念、安全な食の担保など、真の消費者利益、国民利益そして東日本大震災津波からの復興への影響も含め、多角的な検証が必要である。
 特に、交渉参加以来、国内では主食用米から飼料用米への転作を誘導する一方で、米国からの輸入米について特別枠を設け、牛肉や豚肉の輸入時の関税を大幅に引き下げるなど、合意内容は我が国の農林水産業に極めて大きな打撃となる。
 農産物の重要5品目の保護を求める衆参両院の農林水産委員会の決議を、政府が遵守したかどうか早急に検証するとともに、併せて必要なセーフティネットを国民に示す必要があるが、現在までのところ政府として臨時国会の召集などの動きはない。
 これは、TPP協定交渉自体が秘密交渉として進められ、国民が知らないままに、暮らしに直結し国益に関する物事が決められていったことに起因するものであり、情報公開による国民的議論を求めてきた本県議会としては極めて遺憾である。
 TPP協定は、経済的恩恵のみに止まらない、国の形を変える可能性を大きくはらんだ協定であることから、十分な国民的議論を尽くした上で、最終的に批准するか否かを決定すべきものであり、交渉過程と合意内容等の情報公開と国会での早急な審議が不可欠である。
 よって、国においては、TPP協定交渉の合意内容の詳細や影響等について速やかに情報公開を行うとともに、早期に臨時国会を召集し徹底的な検証と議論を行うよう強く求める。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

議員別の賛否の状況

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