受理番号:69
核兵器廃絶の提唱・促進に関する請願
広島・長崎の被爆から64年目の夏を迎える。
核兵器のない世界を実現するために、今、国内外で大きな努力が求められている。
いまなお世界には2万6千発もの膨大な核兵器が維持・配備されており、北朝鮮の核実験にみられるように拡散の危険も現実のものとなっている。努力が求められている。
こうした状況を打開するために、日本政府にはヒロシマ・ナガサキを体験した唯一の被爆国として、核兵器の廃絶の努力を世界によびかけ、促進する強い義務がある。
また、その努力を実らせるためには、みずからも証しとして「核兵器を持たず、作らず、持ち込まず」の非核三原則を遵守し、世界に範を示さなければならない。
核兵器廃絶を求める動きは世界的に大きく広がりつつある。
4月5日にオバマ大統領は「核兵器のない世界を追求する」と演説し、それにこたえて、ロシアなど他の核保有国やNATO加盟国の政府にも、核兵器の廃絶を支持する声が広がっている。
5月4日からニューヨークで開催された次回NPT(核不拡散条約)再検討会議の第3回準備委員会では、多くの国の代表が、核兵器の大幅削減や包括的核実験禁止条約の発効、核分裂物資製造禁止条約の交渉開始などとともに、核兵器そのものを廃絶する道筋についても提起し、来年の再検討会議では2000年に合意した「核兵器廃絶の「明確な約束」」を議題とすることが決定された。
国会では、核兵器廃絶に向けて政府に取り組み強化を求める決議が、衆参両議院で全会一致で採択された。
岩手県では、県議会が核兵器廃絶平和岩手県宣言を決議し、すべての市町村が非核自治体宣言を行っている。
私たちは、今こそ日本政府が、「核兵器廃絶の提唱・促進」と「非核三原則の厳守」を改めて国連総会や日本の国会など内外で宣言し、各国に通知し、核兵器のない世界のための共同の努力を呼びかけ、率先して行動するように求めるものである。
ついては、県議会において、下記の事項について地方自治法第99条に基づき、国に対して意見書を提出するよう請願する。
(請願事項)
日本国政府は「核兵器廃絶の提唱・促進」と「非核三原則の厳守」を宣言し、核兵器のない世界のための共同の努力を内外に呼びかけること。