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早池峰山の希少植物をニホンジカの食害から守るための「行動計画」の策定を求める請願

71 早池峰山の希少植物をニホンジカの食害から守るための「行動計画」の策定を求める請願

受理番号
71
受理年月日
平成25年7月2日
付託委員会
環境福祉委員会
委員会付託日
審査結果
委員会審査日
継続審査状況
議決結果
採択
議決年月日
平成25年7月9日
措置
送付
備考

内容

受理番号:71
 早池峰山の希少植物をニホンジカの食害から守るための「行動計画」の策定を求める請願

(請願趣旨)
 平成24年度に東北森林管理局が実施した、早池峰山周辺森林生態系保護地域におけるニホンジカ(以下「シカ」という。)の生息、出現状況等についての調査結果をまとめた、「野生鳥獣との共存に向けた生息環境等整備調査(早池峰山周辺地域)報告書」(以下「報告書」という。)によると、シカによる樹木類、草本類の摂食・食害調査の結果は、カモシカによるものも含まれている可能性があるとしながらも、調査地点においてハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオ、カトウハコベ、チシマギキョウ、チシマツガザクラなど環境省のレッドデータブックに該当する15種、いわてレッドデータブックに該当する39種に食害の痕跡のあったことが書かれており、早池峰山の素晴らしい高山植物の行く末に不安を抱かせる内容であった。
 早池峰山周辺で増えている野生動物はシカであり、シカの繁殖力は、メスジカは生まれた年でも50%が仔どもを持ち、4年で約2倍の頭数になるという高いものであり、何の対策も取らずにいれば、集団で行動するシカによる食害は年々エスカレートし、10年位で早池峰山の高山植物に彩られたお花畑は消滅、さらには南アルプスなどで見られるように、山地の崩壊へとつながっていくことが十分予想される。
 東北森林管理局が報告書の中で指摘しているとおり、早池峰山の希少な高山植物は、多くがシカの餌場となる草本群落の中にあり、高山帯であるがために食害や掘り起しを受けた植物への影響力は極めて大きく、取り返しのつかないものになることに岩手県はもっと危機感を感じて欲しい。
 さらに早池峰山には、登山口付近の比較的標高の低い樹林帯でも希少な植物が存在しており、それらも侵入してくるシカの脅威にさらされている。
 岩手県は、これまでの「第三次シカ保護管理計画」において、早池峰山を一般的な侵出抑制地区として扱ってきており、早池峰地域保全対策事業推進協議会などでの対策を望む複数の意見に対しても、残念ながら消極的な態度しか示されなかった。
 早池峰山の生態系は、シカのいない状態で成り立っており、岩手県はできる限り早くシカを排除することを目標として、主体的に最善の努力をして頂くよう希望する。
 高山帯にシカが侵入し始めた時は、できるだけ早く駆除等の具体策を取ることが重要といわれ、被害が多くなってからでも排除できたという例は聞いたことがない。
 早池峰山では、昨年標高の高い縦走コース上でも自然保護管理員によってシカが確認されており、岩手県は、対策を取らずにいられるのも限界に近づきつつあることを真撃に受け止め、以下の措置を進めるよう請願する。

(請願事項)
1 今年度岩手県が策定する「第四次ニホンジカ保護管理計画」に、早池峰山のシカ食害防止対策を明確に位置づけ、所要の「行動計画」を策定すること。
2 早池峰山をシカの食害から守るためには、関係4市(盛岡、花巻、遠野、宮古の各市)の協力が是非とも必要なことから、岩手県が主導して関係機関、団体による早池峰地域のニホンジカ対策協議会を設け、共通認識を図りつつ、前述の「行動計画」を実効あるものとすること。
3 東北森林管理局が主張しているように、早池峰地域でのシカの食害に対する具体策としては最終的に頭数管理しかなく、関係地域の猟友会に協力を求めるほか、県内の経験ある有志を募って早池峰地域ニホンジカ駆除隊(仮称)を創設すること。
4 シカが早池峰山と里を行き来している実情に合わせて、早池峰山周辺のシカ猟可能区域の拡大を図り、特定猟具使用禁止区域や鳥獣保護区特別保護地区の一部解除などを検討協議すること。

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