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2017年度最低賃金引き上げに関する請願

42 2017年度最低賃金引き上げに関する請願

受理番号
42
受理年月日
平成29年3月14日
付託委員会
商工文教委員会
委員会付託日
審査結果
委員会審査日
継続審査状況
議決結果
別記のとおり
議決年月日
平成29年3月22日
措置
送付
備考
別記
1 次の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
 (1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
  ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、雇用戦略対話における最低賃金引上げに関する合意に基づき「できる限り早期に全国最低800円を確保し、2020年までに全国平均1,000円を目指す」を達成すること。
  イ 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
 (3) 以下の制度改正を行うこと。
  ウ 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を改正すること。
  エ 最低賃金を引き上げるための中小企業支援策を抜本的に拡充すること。中小企業の負担を軽減するための直接支援として、中小企業とそこで働く労働者の社会保険料負担や税の減免制度を実現すること。
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策をさらに拡充すること。
【意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択】

1 次の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
 (1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
  ウ 審議会や専門部会の公開性を高めること。また、非正規労働者が意見陳述する機会を必ず設けること。
 (2) 中央最低賃金審議会及び岩手地方最低賃金審議会の労働者側委員は、特定系統の団体のみから選任され続けていることから、偏向任命をやめ、各労働団体からバランスよく選出すること。また、専門部会の委員選出についても公正な任命を行うこと。
 (3) 以下の制度改正を行うこと。
  ア 最低賃金の日額及び月額設定を復活させること。
  イ 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
 (4) 最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を大幅に増員し、監督行政の強化を図ること。
【不採択】

内容

受理番号:42
 2017年度最低賃金引き上げに関する請願

(請願趣旨)
 アベノミクスによる異次元の金融緩和によって、大企業の内部留保は増えたが、労働者の実質賃金は下落し、消費支出も減少し続けている。雇用の流動化が推し進められ、非正規労働者が全労働者の4割に達し、労働者の4人に1人が懸命に働いても年収200万円以下というワーキング・プアに陥っている。低賃金で不安定な仕事にしか就けず、自立できない人が増え、2015年の婚姻率は0.5%、出生率も1.45に落ち込み、少子高齢化がますます進行し、さらに親の貧困が子どもたちの成長、発達を阻害するという貧困の連鎖も社会問題となっている。
 2016年の改定による最低賃金は、最も高い東京都で時給932円、岩手県は716円、最も低い地方は714円である。毎日フルタイムで働いても月11万円から14万円の手取りにしかならず、これでは憲法が保障する健康で文化的な最低限の生活はできない。しかも、時間額で218円まで広がった地域間格差が、労働力の地方からの流出を招き、地方の高齢化と地域経済を疲弊させる要因となっている。地域経済を再生させる上で、地域間格差の是正と最低賃金の大幅な引上げが必要である。
 安倍首相は、最低賃金を毎年3%程度引上げて、加重平均で1,000円を目指す、GDPにふさわしい最低賃金にするとして、現行の最低賃金の水準の低さを認めた。しかし、年3%の引上げでは、できる限り早期に全国最低800円を確保し、2020年までに全国平均1,000円を目指すとした雇用戦略対話での政労使合意を先延ばしすることになる。政治的決断で、直ちに1,000円に引上げるべきである。
 あわせて、中小企業への助成や融資、仕事起こしや単価改善につながる施策を拡充すると同時に、最低賃金を改善することは、景気刺激策として有効である。さらに公正取引の確立の点からみても、最低賃金を生活保障水準に引上げ、企業間取引の力関係の中で単価削減、賃下げが押し付けられないようにし、適正利潤を含んだ単価を実現させることが大切である。
 最低賃金法第9条には、最低賃金の原則として、労働者の生計費と賃金に先進国では例のない支払能力が併記されている。大企業の経済活動に大きく左右される指数が地域ランクの判断要素とされ、政府や使用者側は、これを理由に最低賃金を劣悪な労働条件の多い小零細企業の労働者との賃金で比較している。そうした生計費原則を無視した地場賃金を低く抑える動きによって、地域間の賃金格差が固定、拡大され、地域経済の疲弊を進行させている。
 憲法では、すべて国民は、法の下に平等、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとされ、労働基準法第1条では、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすものでなければならないとしている。最低賃金法第9条では、最低賃金は生活保護水準を下回ってはならないとしている。最低賃金の地域格差をなくして大幅に引上げ、中小企業支援策の拡充を実現するため、2017年の最低賃金改定に当たり、次の事項について請願する。

(請願事項)
1 次の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
 (1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
  ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、雇用戦略対話における最低賃金引上げに関する合意に基づき「できる限り早期に全国最低800円を確保し、2020年までに全国平均1,000円を目指す」を達成すること。
  イ 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
  ウ 審議会や専門部会の公開性を高めること。また、非正規労働者が意見陳述する機会を必ず設けること。
 (2) 中央最低賃金審議会及び岩手地方最低賃金審議会の労働者側委員は、特定系統の団体のみから選任され続けていることから、偏向任命をやめ、各労働団体からバランスよく選出すること。また、専門部会の委員選出についても公正な任命を行うこと。
 (3) 以下の制度改正を行うこと。
  ア 最低賃金の日額及び月額設定を復活させること。
  イ 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
  ウ 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を改正すること。
  エ 最低賃金を引き上げるための中小企業支援策を抜本的に拡充すること。中小企業の負担を軽減するための直接支援として、中小企業とそこで働く労働者の社会保険料負担や税の減免制度を実現すること。
 (4) 最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を大幅に増員し、監督行政の強化を図ること。
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策をさらに拡充すること。

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