受理番号:50
教育現場における紫外線対策の実施に関する請願
次世代を担う子供たちを有害な紫外線(UV―B)から守るため、教育現場において次に掲げる紫外線対策を講じるよう請願する。
1 紫外線に関する情報を、教師や保護者、子供たちに広く伝えること。
2 炎天下で長時間行動する場合は、日よけ対策を周知徹底させること。
3 耳や首筋も覆える帽子の着用を進めること。
4 フロンによるオゾン層の破壊と紫外線との関連について周知させること。
(請願の理由)
今まで地球を守る大切な防護服のような役割を果たしてきたオゾン層が、フロンなどのオゾン破壊物質の放出により減少し、これまでになかった有害な紫外線(UV―B)が地上に降り注ぐようになった。日本上空でもオゾン層が破壊され、UV―B対策への関心が各地で高まっている。
2002年7月23日にWHО(世界保健機関)は、日光浴の紫外線は皮膚がんや白内障の原因になるばかりでなく、免疫機能の低下にもつながるとして日光浴自粛を呼びかける報告書を発表した。WHОのプロジェクトチーム「インターサン」がまとめた報告書では、70年代以降のライフスタイルの変化による日光浴のブームとオゾン層破壊進行の相乗効果で、白人を中心に皮膚がんの患者が世界的に急増していると指摘し、太陽光の強い日中は外出を避け、出かける場合は衣服で皮膚を覆ったり、サングラスを着用するよう呼びかけている。
日本では、母子手帳で1998年に日光浴から外気浴に変わり、環境省からは2003年に紫外線保健指導マニュアルが発行された。
岩手県においても江刺市の聖愛ベビーホームでは、プールの上にネットを張り、散歩は紫外線の強い時間帯(10時〜14時)を避けて実施し、園児や職員全員、耳や首筋を覆えるUVカットの帽子を着用している。また、保護者へも紫外線の情報を提供している。
紫外線対策の進んでいるオーストラリアでは、子供が外に出るときは日焼け止めクリームを塗り、大きな帽子をかぶって紫外線から身を守ることが習慣になっている。
「スリップ・・・長袖のシャツを着よう」、「スロップ・・・日焼け止めクリームを塗ろう」、「スラップ・・・帽子をかぶろう」を合い言葉に、学校の先生は「ノーハット・ノープレイ、外で遊ぶときは必ず帽子をかぶりましょう。かぶらなければ外で遊んではいけません。」と子供たちに教えている。
オゾン層は今後も破壊され続ける。外で運動したり、遊ぶことの大好きな子供たちの体を守っていくことは大人の責任である。だからこそ、体育や教育、スポーツなどに携わる先生や保護者が紫外線についての正しい知識を持ち、子供たちの将来が健やかであるために、岩手県においても早急に対策を講じていただくよう請願する。