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PSE法の実施運用に関する請願

76 PSE法の実施運用に関する請願

受理番号
76
受理年月日
平成18年6月27日
付託委員会
総務委員会
委員会付託日
審査結果
委員会審査日
継続審査状況
議決結果
意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
議決年月日
平成18年7月3日
措置
送付
備考

内容

受理番号:76
 PSE法の実施運用に関する請願

 PSEマークのない電気製品の販売を規制するという電気用品安全法(PSE法)が、一部の電気製品についての5年の猶予期間を終了したことにより、4月からそれら製品の販売ができなくなった。PSE法は、リサイクル業者にとって影響が大きなものであるにもかかわらず、PSE法を所管する国においては、その施行に当たり、市場が混乱するような対応がなされ、現在もそうした状況が続いていることは、まことに遺憾である。
 これらの混乱により、中古の電気製品の流通が停滞し、循環型社会の形成のため政府が進めている3R政策〔Reduce(廃棄物の発生抑制)Reuse(再使用)Recycle(再資源化)〕の推進にも影響を与えることが考えられる。
 ついては、県議会において、以下の事項について、関係機関に意見書を提出されるよう請願する。

1 国は、PSE法の施行に関し、準備と取り組みにおいて不備があったことを認め、今後、そのようなことがないよう、現場の意見を聴取すること。
2 国は、PSE法に関し、リサイクル製品の流通現場に即応した円滑で確実なリサイクル製品の流通が行われるよう、運用体制を強化すること。
3 国は、PSE法の施行に関する相談窓口を岩手県内に設置し、リサイクル事業者等からの問い合わせに対応すること。
 また、ホームページ以外の情報伝達手段も講じ、周知徹底を図ること。
4 国は、検査等により負担が生じる非営利の福祉団体や中古品販売業者の立場を念頭において、電気製品の安全確保とリサイクル商品の流通促進という二つの利害調整が図られるよう、関係者の意見を積極的に取り入れ、策を講ずること。

(理由)
 岩手県内では事前に十分な周知が図られないまま、4月10日、東北経済産業局がリサイクル業者などを対象に検査機器の講習会を行なった。
 その際、PSE法の施行によりPSEマークのない電気製品は販売できないので、国は当面、レンタルの形でPSEマークのない電気製品を引き渡し、後日、リサイクル業者が自主検査を行い安全性を確認したものについては適法とみなす方針であるとの説明があった。
 レンタルという形であればPSEマークのない中古品の流通を認めるとするが、そのような対応に問題はないのか、我々事業者は疑問を感じている。
 また、素人の中古品業者が絶縁耐力検査を行い、PSEマークを表示することが電気製品の安全の確保につながるのか疑問でもある。
 次に、検査機器の貸し出しについては、期間が一事業所あたり2日間と短く、広い県土を有する岩手県では実行上無理であり、現実には検査機器の貸し出しを申し込みする業者は少なく、事実上、中古品へのPSEマークの表示が履行されない状態が生じている。
 PSEマークのない中古品の販売が事実上放置されていることについて、国は「契約方法は業者に任せている。実態は把握しておらず、コメントできない。」という報道もなされており、実態はますます深刻になっていると思料される。
 このような混乱が生じた原因の一つに情報の周知の不徹底という問題があると考える。
 国では、主にホームページという手段で情報を伝達しているが、我々岩手県の業者はホームページを見ることができない業者もいるのである。地域事情を考慮しない国の対応がこのたびの混乱を招いたともいえる。
 こうした事態を放置したままであれば、PSE法が目的としている安全な電気製品の流通が事実上困難となってしまうのではないかと憂慮される。
 そもそもPSE法の目的が電気製品を使用する消費者の安全を第一とするのであれば、中古品の販売を規制するのではなく、安全な電気製品の流通を支援することも必要である。
 なお、岩手県には、市民から中古品を譲り受け再生して、また市民に還元するという活動を続けている非営利の福祉団体がある。いま「もったいない」、「ものを大事にする。使えるうちは使う。」という考えが世界に広がりつつある中、この福祉団体は、従来からこの精神の考えのもと、障害者が自ら再生販売するという活動によって市民等へ貢献し、福祉面からも大いに意義ある活動を続けているものであるが、一連のPSE法をめぐる混乱は、電気製品の販売が少なからぬ収入源になっている非営利の福祉団体にとって、販売を自粛せざるを得なくなり、存続にも関わる事態となっている。
 このように県民及びリサイクル業者に深刻な影響を及ぼしているPSE法の施行が円滑で公平に推進されることが求められている。

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